こんにちは!鍼灸スキルアップ塾の陣内です。
今回は『肩甲下筋の電気鍼』について書いていきたいと思います。
前回の記事は肩甲下筋のトリガーポイントをご紹介しています。
よければこちらの記事も読んでいただければと思います。
肩甲下筋は肩の前方の安定性に非常に重要な筋肉ですが肩甲骨の前方にある筋肉のため鍼灸領域では気胸を危険視するためにアプローチをしない先生も多いと思います。
しかし、重要な筋肉には変わりはないのでアプローチができたほうが絶対いいと思います。
正しい解剖学的知識があればしっかりアプローチができますよ。
今回の記事でわかるのは
肩甲下筋の起始停止などの基礎解剖
肩甲下筋の刺鍼法
肩甲下筋の電気鍼の設定
です。
最後まで宜しくお願いします。
それでは勉強していきましょう♪
肩甲下筋の基礎解剖
起始 |
肩甲骨の肩甲下窩
|
停止 | 上腕骨小結節 |
神経支配 | 肩甲下神経(C5・C6) |
作用 | 肩関節の内旋 |
栄養血管 | 肩甲下動脈 |
肩甲下筋のトリガーポイントのところでも書きましたが肩甲下筋はローテータカフの筋肉の中で唯一の前方にある筋肉です。
肩甲下筋は肩の内旋の筋肉のため伸張に無理がきたせば『外旋』制限の原因になります。しかし、単純にこれだけの問題ではなく、肩の肢位によって肩甲下筋のどの部分が制限因子となるかが大きく変わります。
1st外旋制限:肩甲下筋上部線維
外転60°外旋制限:肩甲下筋中部線維
外転120°外旋制限:肩甲下筋下部線維
このあたりを頭に入れておきながら臨床に向かうことは非常に重要な点になります。
肩甲下筋の電気鍼の姿勢と刺鍼
私が肩甲下筋に電気鍼でする場合アプローチをする姿勢を大事にします。
肩甲骨の前方にある筋肉ですので鍼を危険視するため苦手意識がある先生もおられるかもしれませんがこのやり方なら安全にアプローチをすることができます。
肩甲下筋の鍼でのアプローチする場合患側を下にして上肢帯を後方に引くようにすると肩甲骨の内側縁が出てきます。
ここから肩甲骨前面に鍼をこするように刺鍼します。
この位置からすると桔梗のリスクはぐっと下がりますよ。
ポイントは手前に引くように肩甲骨の前面(肩甲下窩)を掬うように鍼をしていくといいと思います。
下方を狙う場合は停止部方向に向かって鍼をすると効果的です。
電気鍼をする場合モーターポイントを狙うのがいいのですが乗っている本が少ないのでこの本はおすすめですよ。
電気鍼の設定
それでは電気鍼の設定をご紹介していきます。
設定は次の表を目安にしてみてください。
一次痛 | 二次痛 | |
神経 | Aδ線維 | C線維 |
周波数 | 高頻度
100Hz以上 |
低頻度
1~30Hz程度 |
パルス幅 | 100μsec以下 | 100μsec以上 |
出力 | 我慢ができるくらい | 筋収縮が起こるぐらい |
これが基本的な設定の考えでいいと思います。
受容器もまた考えるといいと思います。
受容体 | μ受容体 | δ受容体 | κ受容体 |
周波数 | 2Hz | 2Hz/15Hz | 100Hz |
内因性オピオイド | βエンドルフィン | エンケファリン | ダイノフルフィン |
このあたりが基礎的な考えになっています。
電気の設定がわからないであったり、質問がある場合はtwitterの私のアカウントにDMなどいただけるとご相談に乗りやすいです。
この2つの表は私のblogではよく出ている表になります。
是非参考にしてみてください。
これにモードでスウィープなどをするとおすすめになります。
実際に鍼を行っている動画はこちらになります。
鍼の流れなどもありますのでお時間がある場合は是非ご覧になってください。
まとめ
今回は『肩甲下筋の電気鍼』について書いていきました。
肩甲下筋の刺鍼は難しく考えている方も多いかもしれませんが解剖学的なイメージがあれば安全に行うことができます。
また正しい鑑別のもと行うと効果が全然違いますよ。
是非普段の臨床にお役立てください。
最後までご覧くださりありがとうございました。
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