電気鍼の設定基準|肩こりを例にして紹介

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こんにちは!鍼灸スキルアップ塾の陣内です。

今回の記事は電気鍼する時の設定基準をご紹介していきます。

前回の記事はマイクロカレントと低周波の併用での肩関節の電気鍼をご紹介しました。今回はそもそもの電気鍼の設定についてご紹介していきます。

前回の記事はこちらになります。

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目次

電気鍼=パルス鍼

電気鍼はパルス鍼などともいわれる鍼治療です。

主には低周波領域の電気を鍼に通電させる施術方法になります。

私の記憶する限りでは1970年代に鍼麻酔の際、鍼通電が広まったといわれております。

そこから各種メーカーが鍼通電用の物理療法機器が開発され販売されるようになりました。

最近の機器では低周波領域だけではな微弱電流なども出来る機器も出来ています。微弱電流は電気が流れている感じも感じないため、電気刺激が苦手な方も安心して受けられると思います。

しかも、微弱電流(マイクロカレント)は急性期から回復期まで幅広い時期で使用することができ効果も非常に高いです。

鍼治療とも親和性が高く今後注目される療法の1つだと思います。

ですけど電気鍼の機器を購入しても設定を変えずにそのまま使っているという先生も多いですよね!?

ツイッタ―やユーチューブで意外と質問が多かったんですよね。

ということで今回は低周波領域の電気鍼の設定方法をご紹介していきます。

またこの方法は物理療法の電気治療の基本になりますので是非参考にしてみてください。

痛みの種類!?

電気の設定を決める前に大切なことがあります。

それは患者さんの痛みの状態です。

そんなことは当たり前』だと言われるかもしれませんが、何も考えず電極をつけてスイッチを入れていませんか!?

そこでまず分けて欲しいのは急性期と慢性期(回復期)、一次痛か二次痛です。

急性期or慢性期(回復期)

急性期と慢性期の境目って非常にアバウトで臨床での使い方も医療業種のなかでも変わる言葉だと思います。

今回は急性期は受傷後直後で症状の変化の多い時期、慢性期は症状の変化が少ない時期として話をしていきたいと思います。

一次痛or二次痛

学生時代によく聞いた言葉だと思います。

一次痛の特徴としては、きりっとした強い痛みで限局した痛みです。痛みの神経伝達はAδ線維といわれています。

侵害刺激を高閾値機械受容器で受容して→Aδ線維(伝導速度12-30m/sec)→脊髄後角→外側脊髄視床路→視床後外腹側核→内包後脚→大脳皮質体性感覚野で伝達するといわれています。

二次痛の特徴は、鈍痛で局在のわかりにくい痛みが特徴です。痛みの伝達はC線維といわれています。

侵害刺激をポリモーダル受容器で受容→C線維(伝導速度0.5-2m/sec)→脊髄後角

→前脊髄視床路・脊髄網様体→視床髄板内核・視床下部→大脳(辺縁)皮質で伝達するといわれてます。

基本の設定

痛みの種類を復習したら電療の基本を覚えていきましょう。

一次痛 二次痛
神経 Aδ線維 C線維
周波数 高頻度

100Hz以上

低頻度

1~15Hz程度

パルス幅 100μsec以下 100μsec以上
出力 我慢ができるくらい 筋収縮が起こるぐらい

が基本になります。

また下降性疼痛抑制系にはさまざまなシステムが存在して条件により放出される内因性オピオイド物質が異なることが明らかになっています。

受容体 μ受容体 δ受容体 κ受容体
周波数 2Hz 2Hz/15Hz 100Hz
内因性オピオイド βエンドルフィン エンケファリン ダイノフルフィン

これらの機序はわかりにくいですが、覚えておくと臨床の幅は広がります。

実際の鍼治療

こちらが実際の鍼治療を行っている動画になります。

特に肩こりは慢性痛なのでC線維を狙うように設定をしていくのですが慣れを防ぐためにスウィープモードを使うことが多くなります。

慢性の時には刺激に対して慣れが多く起こるので刺激に変化をつけることが臨床結果に対して効果を出します。

実際の動画を見ていただくと非常にわかりやすいと思います。肩こりは鍼灸臨床においては非常に多いと思われる症状です。むしろ肩凝りを100%解消できたら食べていくことは可能だと思います。

たかが肩こり、されど肩こりです。真摯に向き合うのはとても大事ですよ。

まとめ

今回は肩こりを題材に電気鍼の設定についてまとめてみました。しかし、電気鍼の設定は基本はとても大事で理解することにより応用は無限です。是非参考にされてください。

最後までご覧くださりありがとうございました。

ブログの更新よりyoutubeの更新の方が早いので良ければチャンネル登録もよろしくお願いします。

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