肩の痛みをもっている人は非常に多いですよね!?
鍼灸の適応の中でも五十肩は非常に有用性があるといわれています。
インナーマッスルといわれる筋肉たちは奥の方にあるため鍼灸では非常に効果のあるアプローチだと思います。
(棘下筋はインナーマッスルといわれていますが、最近はそのように言われない事が多いです!後述します。)
棘上筋のトリガーポイントの記事と一緒にみてもらうとまたいいと思います。
今回の記事は棘下筋のトリガーポイント鍼治療についてまとめてます。
- 棘下筋の基礎解剖
- 棘下筋の関連通領域
- 棘下筋のトリガーポイントの好発部位
になっております。
是非最後までよろしくお願いします。
棘下筋(きょっかきん)の特徴(起始停止)
まず棘下筋の基本をみていきましょう。
起始 |
肩甲骨棘下窩・棘下筋膜の内面
|
停止 | 上腕骨大結節上部の後小面 |
神経支配 | 肩甲上神経(C5・C6) |
作用 | 肩関節の外旋、内転 |
栄養血管 | 肩甲上動脈 |
棘下筋は肩関節の運動軸を上下でまたぐため、機能解剖学的に上方の線維群と下方の線維群に分類するといわれています。
棘上筋の停止部と棘上筋の上方線維群は互いの線維群でリンクしていますので上方の支持を強化しています。
ですので最近は主に動かすための筋肉=モビリティーマッスル、身体を支える筋肉=スタビリティーマッスルといわれることが多くなっています。
棘下筋のトリガーポイントの形成されやすい部位
棘下筋のトリガーポイントが形成しやすいされやすい所は大きくわけて二か所になります。
上部線維と下部繊維両方にできやすいです。
まず上部線維の方からご紹介していきたいと思います。
棘下筋上部線維のトリガーポイント
棘下筋の上部線維は肩関節の運動軸を目安として上部線維と下部繊維を分けてもらえればいいと思います。
上部線維でトリガーポイントができやすい位置は上記の赤×のところになります。
まず肩甲骨の内側縁に近い所辺りにできやすいトリガーポイントを探す場合は、まず肩甲棘の付け根の棘三角を探すようにしましょう。
棘三角の少し下あたりを筋繊維に対して直角に切るように硬結を探してください。(←ここポイントです)
索状の硬結が見つかると思います。そこから停止部に向かって丁寧に探していくとやや外側部にも見つかることが多いです。
棘下筋下部線維のトリガーポイント
下部繊維にもトリガーポイントは多く形成されやすいです。
下部繊維のトリガーポイントを探す時は小円筋との境をしっかり確認することがまず第一ポイントです。
棘下筋の下部繊維も小円筋もともにコロッとした感じで触れるため比較的混同しやすいと思います。
ですので、肩甲骨の外側縁をしっかり触れるようにしましょう。肩甲骨の外側縁より外側にある筋肉は小円筋です。
しっかり下部繊維を触れたら筋の走行に対して直角に切るように触っていき、索状の筋硬結を探しましょう。
棘下筋上の経穴
経穴がある周辺もトリガーポイントが形成されやすい部分になります。
チェックしてみるのもいいと思います。
天宗(てんそう)
肩甲棘中央と肩甲骨下角とを結ぶ線を3等分し、肩甲棘から3分の1のところ
臑兪(じゅゆ)
腋窩横紋後端の上方、肩甲棘の下方陥凹部
棘下筋の関連痛領域
それでは棘下筋の関連痛領域をみていきましょう。
棘下筋の関連痛領域は広範囲に及びますのでしっかり確認しておくといいと思います。
棘下筋上部線維のトリガーポイントの関連痛
棘下筋の上部線維のトリガーポイントの関連痛は上の図のように、
- 後頭骨の少し下あたりに広がる痛み
- 肩甲骨の内側縁の痛み
- 三角筋の中部繊維を中心とした痛み
の三点に関連痛領域を波及させます。
上部線維の関連痛領域はどちらかというと上肢帯の周りの痛みになります。首の痛みなどで患部にアプローチをしてもなかなか効果のないときは棘下筋の上部線維に問題がある時があります。
頭に入れておくといいと思います。
棘下筋の下部繊維のトリガーポイントの関連痛
棘下筋の下部繊維の関連痛は上肢の外側・前側~前腕橈側・掌側~第一指にかけての関連痛になります。
上部線維に比べ自由上肢に関連痛を出しやすいといえます。
母指痛などにも関係がありますので母指の痛みなどにもアプローチをしてみてください。
棘下筋は肩関節の痛みに対して非常に広範囲に関係しています。肩関節障害のアプローチに対して改善が多くみられるのが棘下筋です。
その分触診を大事にしましょう。
棘下筋のトリガーポイントの刺鍼法
もちろん鍼の打ちかたも上部線維と下部繊維で分けるといいと思います。
動画にまとめていますので是非見てみてください。
上部線維は棘三角から下のあたりをしっかり探して索状の硬結を押手でしっかり押さえてくださいね
下部繊維は肩甲骨の外側縁から触りしっかり圧痛を探してみてください。
まとめ
棘下筋は五十肩などの肩関節の屈曲や外転などの運動制限の原因になりやすい筋肉で拘縮も起こしやすいです。トリガーポイントだけではなく施術の対象になりやすい筋肉です。しっかり触診することが非常に大事にですよ!