棘上筋(ssp)のトリガーポイント鍼治療|五十肩、投球肩の施術ポイント

トリガーポイント鍼治療

肩の痛みがある人はとても多いですよね!?

 

その中でも痛みが多く出やすいのは棘上筋です。棘上筋は肩の構造上痛みができやすく出来ているため負担も出やすく損傷もしやすいです。

 

鍼灸師にとって棘上筋にアプローチが出来るのは五十肩や投球肩障害の施術の幅が広がると思いますよ!

 

棘上筋(きょくじょうきん)起始停止

まず棘上筋の基本をみていきましょう。

起始
棘上窩、棘上筋膜内面
停止上腕骨大結節上部
神経支配 ‎肩甲上神経(C5・C6)
作用肩関節の外転
栄養血管肩甲上動脈

 

棘上筋は外転に作用しますが、停止部と運動軸が近い為外転の作用としては30°ぐらいまでしかありません。

しかし、下垂位から外転運動をするときに30°以上から上腕骨頭を関節窩に安定させ、支点を形成し三角筋の外転運動を助ける作用をします。

このように1つの運動を複数の筋肉が助け合いながら動く作用をフォースカップルといいます。

 

肩関節は関節窩と上腕骨頭の比率が1:3と上腕骨頭の方がだいぶ大きい形態になっています。このため肩のインナーマッスル(最近はスタビリティーマッスルといわれる)が骨頭を関節窩に押し付け安定性を確保します。

 

棘上筋のトリガーポイントの形成されやすい部位

 

棘上筋のトリガーポイントが形成されやすい部分は大きく分けて2つの部位に分けられます。

 

1つは肩甲骨の肩甲棘の上部の棘上窩にある筋腹部分です。

 

下の図の赤い×の部分です。

より起始部に近いあたりと肩甲切痕に近い部分の二か所に形成されやすい傾向にあります。

(もちろんこの部位だけではなく、他の部位にも形成されますので丁寧な触診が大切です。)

 

触診をすると索状の硬結が確認できると思います。そこを押圧すると関連痛領域に放散痛が再現されると、責任トリガーポイントである場合が多いです。

 

もう一つのトリガーポイントの形成されやすい部分は、停止部である大結節につく直前の肩峰下の筋腱移行部辺りです。

 

下の図の赤い×の部分です。

 

この部分は触診では触りにくいですので、鍼での刺鍼の際に関連痛を確かめる形になります。

 

棘上筋の関連痛領域

それでは実際に棘上筋の関連痛領域をみていきたいと思います。

関連痛は多少の違いは人によってありますのでおおよその形で覚えておくといいと思いますよ。

 

まず筋腹あたりのトリガーポイントの関連痛からです。

棘上筋の筋腹あたりにできるトリガーポイントの関連痛は肩関節の外側、三角筋を覆う形から上腕外側、前腕の橈側、手の母指側までになります。かなりの広範囲になります。

 

夜間の自発痛の原因にもなります。

 

次は肩峰下にできるトリガーポイントの関連痛領域です。

上腕骨の大結節を中心に広がる『強い痛み』です。肩峰下にトリガーポイントが形成された場合の特徴は、筋腹にできた時よりも局所の強い痛みです。

 

夜間時に起こる自発痛の場合この部分にできていることが多いです。

 

棘上筋損傷のテスト法

棘上筋の損傷のテスト法はたくさんありますが、今回ご紹介しているのは筋の負荷テストであるフルカンテスト(full can test)とエンプティ―カンテスト(empty can test)です。

これらは肩関節を外転する際に、三角筋優位で動く角度のときにローテ―ターカフが大腿骨頭を安定させ三角筋が外転するとい作用を利用したやり方になります。

 

フルカンテスト(full can test)のやり方

  1. 患者さんを立位か座位にして行います
  2. 肩関節を肩甲骨面上(水平屈曲30°)で60°~90°外転させる(母指が上)
  3. 手首付近を上から地面の方向に押す
  4. 患者さんはその力に抵抗する

 

痛みが出たり力が入らなかったりすることで陽性になります。

動画でもご紹介していますが代償運動がはいる場合も陽性とします。

 

エンプティ―カンテスト(empty can test)のやり方

  1. 患者さんを立位か座位にして行います
  2. 肩関節を肩甲骨面上(水平屈曲30°)で60°~90°外転させ最大内旋位にします(母指が下)
  3. 手首付近を上から地面の方向に押す
  4. 患者さんはその力に抵抗する

 

痛みが出たり力が入らなかったりすることで陽性になります。

先ほどと同じで代償運動がはいる場合も陽性とします。

 

棘上筋のトリガーポイントの刺鍼法

筋腹部分と肩峰下の部分と分けてご紹介していきたいと思います。

 

棘上筋筋腹部のトリガーポイント

 

①肩甲骨の内側縁から棘三角を探し当て肩甲棘を探し当てます。

 

②肩甲棘のうえにある棘上筋を触診していきます。

 

③棘三角に近い当たりの棘上筋付近に形成されやすいトリガーポイントを探します。索状に形成されやすいので探してみてください。索状の硬結をみつけたら横断するように押圧をしてみてください。

関連痛領域に放散痛があればトリガーポイントであることが多いです。

 

④同様に肩峰に向かっていき同じように探してみてください。

 

慣れない間はトリガーポイント探して横断するように押圧を加え一番響く方向に合わせ鍼を刺鍼しましょう。

棘上筋肩峰下のトリガーポイント

①肩関節90°外転(凍結肩の場合可能な限り)をした時に肩峰角の下あたりに出来る陥凹部を探しましょう(いわゆる肩髎穴:TE14)

②肩髎穴から肩髃穴(けんぐう:LI15)に向かう感じで鍼を刺入していきます。

③棘上筋のトリガーポイントに上手く当たると関連痛領域に痛みを再現が出来ます。

刺入位置が悪いと上腕骨頭や肩甲棘に当たります。その場合は優しい手技で刺鍼転向法をしましょう。雑な手技をすると痛みを引き起こすだけですので丁寧にしましょう。

 

まとめ

棘上筋は肩のローテーターカフ障害では最も起こりやすい部位です。しっかりとした触診が大切です。そのためには解剖学のイメージがとても大切になります。普段からしっかりイメージを持つことが重要になります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました