小円筋(TM)のトリガーポイント鍼治療|肩関節障害、投球障害

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今回のブログ記事もトリガーポイントについて書いていきたいと思います。

 

第3弾は小円筋です。

よければ拙文ですが棘上筋、棘下筋も併せて読んでいただいたらうれしく思います。

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小円筋は肩関節の後方にあり棘上筋、棘下筋、肩甲下筋とともにローテーターカフを形成している筋肉です。

ローテーターカフは上腕骨を肩甲骨の関節窩にに引きつける作用があるので、肩関節の運動の際の安定性にはとても大事な筋肉です。

そのため施術にはどの筋肉も重要なアプローチポイントになります。

しっかりアプローチをしたい筋肉ですね!

 

目次

小円筋(しょうえんきん)起始停止

まず小円筋の基本をみていきましょう。

 

起始
肩甲骨外側縁近位2/3
停止 上腕骨大結節、後下方の関節包
神経支配  ‎腋窩神経(C5・C6)
作用 肩関節の外旋、内転
栄養血管 後上腕回旋動脈、肩甲回旋動脈

また小円筋は関節包にも一部直接付着しています。

そのため関節筋としての作用もあります。外旋時に後方関節包の挟み込みを防止します。また拳上時に関節包の緊張を高めることによって骨頭を支持します。

関節筋とは関節包に付着し、関節包の挟み込みを防ぐ作用をします。関節包内は陰圧で保たれているため関節運動によって関節包が引き込まれようとします。それを適度な緊張を保つことにより引き込まれることを防止しています。

 

クアドリラテラルスペース(QLS)

小円筋は投球障害などでは圧痛や短縮、攣縮などを起こしやすく肩関節の後方の一要因になりやすいです。また時折腋窩神経などの神経麻痺を起こす原因になります。

 

ここで頭に入れておきたいのがクアドリラテラルスペースシンドローム(以下,QLSS:Quadrilateral space syndrome)です。

QLSSは小円筋、大円筋、上腕三頭筋長頭、上腕骨で囲まれる肩関節後方にできる四角隙です。ここには後上腕回旋動脈と腋窩神経が通るため、スローイング動作で絞扼すると三角筋の萎縮マヒ、肩側面、後面の痛み、血行障害が起こります。

私見ですがこの際、小円筋の攣縮が多いような気がします。また棘下筋の委縮、損傷があるケースなどには小円筋の代償が確認されます。

そのためQLSSの場合や肩関節の後方の痛みの場合ファーストアプローチとしては小円筋にアプローチをかけることが多いです。

 

また棘下筋だけではなく三角筋後部線維との滑走不全も小円筋の機能不全にもつながりますのでアプローチは大切だと考えられます。

小円筋のトリガーポイントが形成されやすい部位

少し話が脱線しましたが、小円筋のトリガーポイントが形成されやすい部位をご紹介していきます。

起始部に近いところと上腕骨の後面、三角筋の深層でできやすいです。

近位部では比較的トリガーポイントは触りやすいと思いますが上腕骨の後面では三角筋があるため少し触りにくいと思います。

ポイントは三角筋をしっかり弛緩させた状態で触ることです。三角筋に力が入っていると触診がしづらいのでしっかり弛緩できる姿位、声掛けなどで力を抜いてもらうようにしましょう。

それと筋繊維に対して直角に切るように硬結を探してください。(←ここポイントです)

 

小円筋の関連痛領域

それでは小円筋の関連痛領域をみていきましょう。

小円筋の関連痛領域は三角筋を覆う範囲と上腕の後面に楕円状に広がる範囲で起こります。

 

先ほどご紹介したQLSSではこれに三角筋の感覚麻痺などを起こすことが多く、痛みのほかに近くも確認しておくのが非常に重要です。

 

小円筋障害のテスト法ホーンブロワ―テスト

Hornblower Test(ホーンブローワーテスト)はローテーターカフの中の小円筋のテスト法になります。

やり方

①被験者を座位、もしくは立位で行います。

②患側の肩を肩甲骨面上(軽度内転位)で90°外転させます。

③そこから肘を90°屈曲させます。

④この位置から、セラピストは肩関節を内旋させるように力を加えます。

⑤被験者はこの内旋する力に抵抗するようにしてもらいます。

⑥極端に抵抗する力が弱かったり、痛みが出ると陽性所見になります。

小円筋のトリガーポイントの刺鍼法

動画でまとめておりますので是非ご覧になってみてください。

刺鍼方法として

①まず肩甲骨の外側縁を確認しましょう。

②外側縁から上腕骨方向に外側縁をたどりましょう

③三角筋のを弛緩させ上腕骨の解剖頚あたりで筋繊維に対して直角に切るように硬結を探しましょう。

④硬結をさがしたら押手でしっかり押さえトリガーポイントが動かないように刺鍼しましょう。

この際、局所性の単収縮や関連痛の再現ができると効果が高いですよ!

まとめ

小円筋は肩関節後方の痛みには非常に重要なポイントになります。ほとんどの場合にトリガーポイントを形成しているといえるほどにです。しっかり触診をしてアプローチができるようにしましょう。それだけでも五十肩に代表される凍結肩、投球障害などの肩障害の施術効果が変わると思いますよ!

 

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