内側広筋のトリガーポイント鍼治療|膝痛に

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膝の痛みってなかなか変わらなくて困る時ってありますよね!?

患部の施術だけではなかなか効果のないときに結果が出しやすい鍼灸手技に『トリガーポイント鍼治療』があります。

特に今回は膝の内側の痛みにつながりやすい内側広筋のトリガーポイントについて解説していきたいと思います。

内側広筋のトリガーポイントは変形性膝関節症などにも形成していることが多いですよ!

今回の内容は

  • 内側広筋の基礎解剖
  • 内側広筋のトリガーポイント好発部位
  • 内側広筋のトリガーポイント関連痛領域
  • 内側広筋のトリガーポイントの触診、刺鍼法

です。

是非最後までご覧になってください。

目次

内側広筋の起始停止

内側広筋

起始 大腿骨の粗線内側唇
停止 共同腱(大腿四頭筋腱、膝蓋腱)を形成し、膝蓋骨を介して脛骨粗面につく
神経支配 大腿神経(L2~L3)
作用 膝関節の伸展、下腿の内旋
栄養する血管 大腿動脈

内側広筋斜走線

起始 広筋内転筋腱板を介し大内転筋腱
停止 膝蓋骨の内側縁、内側膝蓋支帯
神経支配 大腿神経(L2~L3)
作用 膝関節の伸展、下腿の内旋
栄養する血管 大腿動脈

膝の痛みに多いニーイントゥーアウト(Kneein-Toeout)のマルアライメントの状態で膝関節の安定性を出すのは内側広筋が中心的な役割をしています。

内側広筋のトリガーポイントが形成されやすい所

上の図をみてもらって膝に近いほうのトリガーポイントをTP1として、さらに上のところをTP2として説明をしていきたいと思います。

TP1は膝蓋骨上端の内側より3~5センチほど上方にできやすいです。経穴でいえば血海穴の近くにできます。(トリガーポイントは経穴の近くにできやすいこともあります

膝蓋骨の上端から内側広筋の筋走行に対し直角に筋繊維を切るように触診をしていきます。(TPを探すときはこのように探していきましょう)

内側広筋のトリガーポイントは索状の硬結がわかりやすいので切るように触診をしていくと爪楊枝ぐらいのトリガーポイントが触知できると思います。

慢性の変形性膝関節症では索状の硬結は一本だけではなく多数確認できることがありますのでしっかり触知できるようにしましょう。

TP2はTP1よりさらに上方にあり筋腹あたりに形成されやすいです。ここはアスリートなどの大腿部の筋肉をよく使う人にもトリガーポイントは形成されやすいです。

触知方法はTP1と同じように細かく探してみてください。

大腿直筋との筋の境の部分なども好発部位です。

大腿四頭筋部の肉離れはハムストリングの肉離れより比較的若年層で起こりやすいといわれています。肉離れが起こる前にはトリガーポイントが形成されていることもありますのでしっかり触知をしていきましょう。

内側広筋のトリガーポイントの関連痛領域

それでは内側広筋のトリガーポイントの関連痛領域をみていきましょう。

TP1の関連痛領域は膝の内側にでる強い痛みが特徴です。TP1が形成されるとこのように膝の内側の痛みの原因になります。

先ほどご紹介したように多数形成されている場合はしっかり処置することにより膝の痛みが劇的に改善することがあります。

TP2は筋繊維に沿った痛みが特徴的です。大腿部の痛みの原因になったりします。

内側広筋のトリガーポイントの刺鍼法

実際の動画はこちらになります。

静止画でも解説していきます。

流れがわかりますので是非動画もご覧になられてください。

膝蓋骨の内上角から停止部に向かいながら筋の走行に対し直角に切るように触診をしていきます。

索状の硬結が放射線状に並んでいたりします。ゆっくり触って探しましょう。

内側広筋のトリガーポイントを確認できたら鍼でしっかり狙っていきます。

内側広筋のトリガーポイント鍼治療のポイントは責任トリガーポイントの中心をまっすぐ直刺するのではなくやや斜めから中心に向かって鍼をした方が結果がいいということです。

その方が局所性の単収縮を誘発しやすいですし、放散痛の再現も確認しやすいと思います。

まとめ

内側広筋のトリガーポイントが形成されやすい変形性膝関節症の患者さんの場合、内側広筋の筋力が低下しているので、

内側広筋が筋力の低下状態→トリガーポイントの形成→施術により消失→内側広筋の筋力低下は変わらないのでトリガーポイントが形成されやすい

これの繰り返しになりやすいです。そのためパテラセッテイングなどの内側広筋の収縮誘導を行い、内側広筋の筋力を戻すことも非常に大事になります。

ぜひ並行して行ってください。

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