こんにちは!
当ブログの管理人の陣内由彦です。
鍼灸の臨床にとって来院をされることの多い坐骨神経痛について刺鍼法をいろいろすることが多いんですがここを今回の記事でまとめていこうかと思います。
神経刺鍼は非常に効果が高いことも多いですし、反応もいいことが多いです。
また鍼通電をすることにより筋収縮がしっかり出ることにより様々な結果をもたらしてくれると思います。
ですがリスクについてしっかり考える、知っておくという事は重要です。
今回はこの辺りを私見を交えて書いていきたいと思います。
この記事よりもっと詳しく書いているのはこちらになります。
有料になりますがより知りたい方はこちらをご覧になってみてください。
臨床的に行われることが多い坐骨神経刺鍼
まず坐骨神経刺鍼の安全性について書いてある論文をご紹介します。
下をクリック
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非常にためになる論文です。
鍼灸師としてはこのような文献は必ず目を通したいですよね!
このような文献を見つけたらTwitterでもブログでもご紹介していきたいなって思います。
ブラインドで刺入する場合私はこの本を参考にすることが多いです。
傍坐骨神経刺鍼その1
一番多い坐骨神経刺鍼をする部位だと思います。
私の場合の刺鍼方法
側臥位で患側下肢を股関節軽度屈曲位、膝関節直角位、健側を股関節中間位、膝関節伸展位で行います。
上前腸骨棘(PSIS)と大転子中央を結んだ線の中点から直角に3~4cm下ったところが刺鍼点
殿部の筋肉量にもよるが鼠径部方向にゆっくり刺入します
一番私が行う方法になります。
刺鍼の時のポイントは刺入時に刺入速度をゆっくり行うことです。これは殿部から行う坐骨神経刺鍼でいえる事なのですが刺入速度が速くなると坐骨神経自体に損傷を与えてしまうことや血管、筋損傷を起こすなどのリスクが高まります。
さらに刺入速度が速いことにより鍼尖の感覚がわからなくなり不要に深く刺してしまう事により臓器の損傷のリスクが上がってしまいます。
刺入は粗雑にならないという事が鉄則です。
傍坐骨神経刺鍼その2
この刺鍼をする際はどちらかというと脊柱管狭窄症などの場合で両側に坐骨神経痛様症状が出ている場合にすることが多いです。
その他でいうと高齢者の場合などで殿部の筋肉が少なくなっている場合にすることが多いです。
その場合であればあまり深く刺さなくて結果が得れることが多いです。
伏臥位、もしくは側臥位で行います。側臥位の場合はその1の体位と同じになります。
仙骨と尾骨の連結部と大転子中央を結んだ線の中点が刺入点。
刺鍼は直刺で内方に向けゆっくりと刺入をしていきます。
この刺鍼法の最大のデメリットは肌の露出が多くなるという事と触察の際、結構きわどいとこに触れるため配慮が必要という事です。
鍼灸施術は患者さんとの信頼関係な有無で施術効果は大きく変わると思っています。信頼関係は作る時は時間がかかっても崩れるのはあっという間です。
きわどいとこに触れる際は最大の配慮をするようにして行いましょう。
傍坐骨神経刺鍼その3
今回ご紹介したの文献で紹介されている坐骨神経刺鍼のやり方です。
殿部で刺鍼をしないのがこの刺鍼の特徴ですね。
何度か練習と実践でも行いました。
側臥位で患側下肢を股関節軽度屈曲位、膝関節直角位、健側を股関節中間位、膝関節伸展位で行います。
坐骨結節下端と大転子中央を結んだ線の内側1/3の点
刺鍼は大腿骨内側方面に刺鍼すると上手く刺入できることが多い
この刺鍼法の最大のメリットは骨盤内臓器や血管損傷などのリスクが殆どないということになります。
これは坐骨神経刺鍼にとって非常にいいメリットになります。
かなり有用性が高いと言えます。
ただし私なりに思うことはやはり坐骨神経刺鍼だけでは問題が解決しないこともあるということです。
例えば梨状筋症候群(深殿部症候群)などのときに殿部にやはりアプローチをしたいときには深層外旋六筋には刺鍼をすると思います。(否定しているわけではありません)
ただ坐骨神経刺鍼はこの刺鍼法で狙い深層外旋六筋などは単独で坐骨神経を狙わずにアプローチをするという使い分けはできるかなと思います。
このやり方は安全性も高めれると思います。
他にハムストリングの肉離れなどの際で坐骨神経に促通を入れるために鍼通電をするときなどは今後こちらのやり方がメインになっていくと思います。
まとめ
今回は『傍坐骨神経刺鍼法を考える』というタイトルで書いていきました。
新しい知見が出たときにまずしっかり識るということはとても重要だと思います。そして臨床への落とし込みが大事だと思います。
鍼灸の安全性を高めていくことは鍼灸業界にとってもとても有益なことだと思います。
今までのやり方をただ踏襲していくのではなく大事にしながらブラッシュアップしていくのを忘れないようにしていきたいと思います。
坐骨神経刺鍼でおすすめの本