ぎっくり腰の鍼治療+物理療法の一例①

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こんにちは!
当ブログの管理人の陣内由彦です。

今回は私が普段行っている施術の一例をご紹介していきたいと思います。

ブログは基本備忘録的に書いていくこともありますので症例もできたら数多く書いていきたいと思います。

もちろん患者さんの個人情報がわからない範囲ですが。

前回はの症例はシンスプリントでしたが今回はぎっくり腰です。

ぎっくり腰って鍼灸治療でかなり良くなるケースも多いので来院される方も多いと思います。

今回は初回のぎっくり腰で痛みが強い方で経過の良かったケースをご紹介します。

前回と同様ぎっくり腰とは?的なことは書かないのでご了承ください。

今回の記事でおすすめ書籍

ぎっくり腰の時などは動作分析をしながら考えると臨床の幅がかなり広がります。

難しく書いてなく動作分析の入門はまずこの本から入るのがおすすめです。

マジで良書だと思います。

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目次

腰痛のレッドフラッグ

日本の腰痛診断ガイドラインでは次のように定められています。

発症年齢 <20歳または>55歳
時間や活動性に関係のない腰痛
胸部痛
癌、ステロイド治療、HIV感染の既往
栄養不良
体重減少
広範囲に及ぶ神経症状
構築性脊柱変形
発熱

腰痛診断ガイドライン2021日本整形外科学会 日本腰痛学会

レッドフラッグサインは生命を脅かす可能性がある徴候で鍼灸臨床では絶対見逃してはいけない徴候になります。

レッドフラッグの可能性がある疾患で鍼灸臨床で適応外になる疾患としては

  • 悪性腫瘍(がん)
  • 脊椎感染症
  • 強直性脊椎炎
  • 椎体圧迫骨折
  • 馬尾症候群

などがありますがこれらの疾患をあてるのではなく少しでも可能性があるならば専門医に診察をしてもらうということが私はとても大事なことだと思っています。

その他覚えておきたいのは重篤な怖い腰痛のFACETです。

FACETは椎間関節という意味もありますので混同しないようにしましょう。

FACETは次の頭文字をとって表しています。

Fracture(骨折)
Aorta(大動脈解離、大動脈瘤破裂)
Compression(膿瘍、ヘルニア、馬尾症候群、血腫など)
Epidural abscess(硬膜外膿瘍、脊椎炎、腸腰筋膿瘍など)
Tumor(腫瘍)

これらも覚えておくといいと思います。

臨床で大事なのは抱え込まないことです。

50代男性 ぎっくり腰

今回の患者さんは50代男性で初めてのぎっくり腰でした。

レッドフラグのなかの年齢に引っかかりますが普段から慢性腰痛を訴えられるとのことでしたので今回は除外をしていました。

発生機序は朝靴を履こうと前かがみになった際腰部に強い痛みを感じたとのことでした。

神経症状はなく腰部を伸展できず、屈曲姿位で来院されました。

ぎっくり腰の鍼灸の一例

ぎっくり腰で屈曲姿位で来院された場合の多くは患部の刺鍼としては大腰筋刺鍼をすることで伸展制限が改善されることが多く刺鍼をするケースが多いです。(もちろん鑑別によります)

今回も基本は大腰筋刺鍼を行いました。

置鍼は10分程度行い、刺鍼中IM-2000という微弱電流機器で椎間関節部に通電しました。

抜鍼後痛みは7割程度軽減し座位にて痛みを確認

疼痛を再現できる姿位にて疼痛部位に刺鍼しピコリナで100Hz、100μsで1分通電で痛みはほぼ消失

その後遠隔にて中封穴に刺鍼(内果下に滑らせるよう刺鍼)後腰椎の伸展運動を行うことで疼痛は消失

まとめ

今回はぎっくり腰の一例をご紹介しました。

ぎっくり腰は鍼灸の臨床では診る機会も多くあると思います。

大事なのはきちんとした鑑別で鑑別さえうまくいけばあとは順を追ってアプローチをしていけば疼痛の軽減はできると思います。

ただ疼痛の軽減ができたとしても組織回復はできていないため疼痛がまた出ることも多くあります。

上手くその旨を理解してもらうのは重要なことだと思います。

適切に痛みを軽減を図りながら運動を行い日常に戻ってもらうのがぎっくり腰の臨床のミソだと思っています。

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