今回の記事は『回外筋のトリガーポイント』についての記事になります。
回外筋は肘関節にある筋肉で、文字通り前腕の回外運動に作用する筋肉です。
上腕骨の外側上顆から始まる筋肉で外側上顆炎にも関係する筋肉です。
外側上顆炎だけではなく回外筋症候群(後骨間神経症候群)にも関係する筋肉です。
是非覚えていきましょう。
回外筋の起始停止
起始 |
上腕骨外側上顆
尺骨回外筋稜
外側側副靱帯
輪状靱帯
|
停止 | 橈骨上面(橈骨粗面と回内筋結節の間) |
神経支配 | 橈骨神経 |
作用 | 肘関節伸展、前腕回外 |
栄養血管 | 橈側反回動脈 |
前腕の背側筋群の深層に位置していて、橈骨に巻きつくように停止しています。
橈骨神経深枝が貫通していて、通過後、後骨間神経になります。
この後骨間神経を絞扼することにより、回外筋症候群が起こります。
回外筋症候群
日本整形外科学会HPから引用
回外筋症候群は橈骨神経深枝が回外筋の浅層で形成されたフローセのアーケード(回外筋入口部の狭いトンネル部)で圧迫、絞扼され神経麻痺を起こします。
この部分は可動性がなく神経圧迫を起こしやすいといわれています。
回外筋の筋緊張や橈側反回動脈と橈骨神経深枝の交差部の後ろに橈骨頭や橈骨輪状靭帯があるためこれらも神経の絞扼の要因になると考えられます。
後骨間神経が麻痺を起こすと、皮膚の感覚神経障害はなく下垂指(drop finger)を起こします。
これは後骨間神経が運動神経のみなので感覚麻痺はありません。
そのほか、「ドアのぶを回すと肘が痛い」、「フキンを絞る動作などで肘が痛い」など捻る動作をしながら肘を伸ばす動作で外側上顆部に痛みがある場合この回外筋症候群があるかもしれません。
回外症候群の場合、圧痛の位置が外側上顆の後方にきます。
それは回外筋の起始部が外側上顆の後方に位置する為です。
短橈側手根伸筋の牽引による場合とは若干違います。
回外筋の関連痛領域
次に回外筋のトリガーポイントの関連通領域をご紹介していきます。
次の図を見てください。
回外筋のトリガーポイント関連通領域は大きく2つ分かれます。
- 外側上顆を中心とする肘の外側の痛み
- 母指、示指の背側を中心に広がる痛み
この2点になります。
関連痛を誘発する動きは回外運動をしながらの肘の伸展運動です。
この部位の痛みは日常でも痛みを感じていることも多いため問診などで様々な動きの痛みの有無を聴取しておくことが大事です。
回外筋のトリガーポイント好発部位
次は回外筋のトリガーポイント好発部位を紹介しています。
トリガーポイントを探す前に大事なのが触診です。
内容を入力してください。全ての筋肉において言えるのは【大事なのは触診】です。正しく触診できていなかったら施術の効果、効果判定、再現性が乏しくなります。
回外筋の触診
回外筋の触診をする場合、肘関節90°屈曲回内位、手関節背屈位で行います。
手関節背屈位で行うのが長、短橈側手根伸筋などの回外作用を抑制する目的です。
外側上顆を指で押さえ回外をしてもらうと橈骨を巻き込むような形の回外筋の形の収縮が感じられると思います。
回外筋が触れたら次の図を見てください。
回外筋のトリガーポイントが形成されやすい所は、外側上顆から橈骨よりを筋繊維を横断するように触っていくと、索状の硬結が触れると思います。
策状の硬結の周りにヌルヌルした組織が触れると思います。
ゆっくり押圧して関連通領域に認知覚があるとトリガーポイントであることが高いです。
回外筋のトリガーポイントの刺鍼法
回外筋のトリガーポイントを刺鍼する場合、私は尺骨の回外筋稜よりに骨を擦るように刺すことが多いです。
その為には押手もかなり重要になります。
押手でトリガーポイントが逃げないようにするのも大事なポイントになります。
打つ右手よりも押手が重要ですね。
刺した感じはこんな感じになります。
おおよそ斜刺のような形になると思います。
筋肉の形はこんな感じになります。
(すいません。下手くそな書き方で。。。。)
実際に刺している動画はこちらになります。
まとめ
回外筋は外側上顆炎や回外筋症候群などで施術対象になる筋肉です。
しっかりとした触診をして結果を出せるようにしましょう。
動画を見てチャンネル登録やリクエストなどをして頂くとありがたく思います。
最後もでご覧になっていただき有り難うございました。