今回は『浅頸神経叢刺鍼』についてまとめていきます。
浅頸神経叢は耳後下部(耳の後ろ)~側頚部~下顎あたりを支配する神経の小後頭神経、大耳介神経、頚横神経、鎖骨上神経がそれぞれ皮下近くまで出てきたものの総称です。
頸部の原因が特定しにくい痛みや小後頭神経由来の頭痛などに効果が期待できます。
しっかり覚えて普段の臨床に落とし込んでいきましょう。
浅頸神経叢をみていこう
この図は広頸筋、胸鎖乳突筋を外した図になります。
浅頸神経叢は緑の丸で囲んだ部分です。
丸で囲んだ部分の上方にある神経で後頭部に上行している神経が小後頭神経です。
この領域で何かしらの神経の興奮があると症状が出ることが考えられます。
私は上部の方は頭痛、下方は頚腕症状が出ているときに鍼を打ち分けています。
小後頭神経由来の頭痛は耳の後ろ辺りから後頭部にかけた領域で起こります。
しっかり走行を覚えておきましょう。
浅頸神経叢の刺鍼ポイント
まず一番最初に確認してほしいランドマークは胸鎖乳突筋の後縁を探していきます。
胸鎖乳突筋の後縁が見つかったら後縁のちょうど真ん中あたりに中斜角筋との交点があります。
上の図でいうところの赤い丸の部分ですね。前下方にいっている神経が鎖骨上神経です。後縁に沿って上がっていき、次にある頸部前方に行っているのが頸横神経で、その上にあるのが大耳介神経です。
この部位のリスクで避けたいのが、外頸静脈です。外頸静脈を避けるためには中斜角筋を目安に打つことで避けられると思います。中斜角筋より前方に行くと腕神経叢になります。
青く光っている神経が腕神経叢ですね。
中斜角筋の後方には副神経もありますので頭に入れとくようにしましょう。
下方は鎖骨上神経をねらうように打っています。
その上方にあるのが小後頭神経です。
浅頸神経叢の刺鍼法
実際に打っている動画はこちらになります。
鍼を打つ流れもありますので是非動画も見られてください。
方向はこのような方向で打つと響きを得やすいです。
粗雑な手技をすると組織損傷を起こす可能性がありますので優しい手技をするようにしましょう。
響きもしっかり出ますので刺鍼速度が速いと電撃様の響きが出ますので注意が必要です。
打っている鍼は1寸3分の3番鍼です。
半分ほどの刺鍼で十分な刺激が出来ると思います。
まとめ
浅頸神経叢は普段なかなかするところではない部位だと思います。
しかし、小後頭神経領域の頭痛などでは考えなければいけないポイントにもなります。
無知で鍼をすることは非常に怖い事だと思いますのでしっかり学習をして臨床に落とし込みましょう。
危険経穴のアトラスは鍼灸師は必携の書だと思いますよ。