肩甲上神経刺鍼|五十肩、肩関節周囲炎の夜間痛の鍼治療

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今回は『肩甲上神経刺鍼』についてまとめていきたいと思います。

肩甲上神経は、棘上筋、棘下筋を支配する筋肉です。

つまり肩甲骨の背側にある筋肉を支配する筋肉です。

ローテータカフの中でも問題になりやすい筋肉で、この神経を狙って鍼を打つことにより神経の興奮を抑え鎮痛や動きの改善を促すことができます。

大事な部分ですのでしっかり学習をして臨床に落とし込みましょう。

目次

肩甲上神経の走行

肩甲上神経は腕神経叢の上神経幹から分岐した後、肩甲骨の肩甲切痕(上肩甲横靭帯の下)を通り二本に分岐します。

一方は棘上筋にいき、もう一方は棘窩切痕(肩甲棘の下)をまわるように通り、棘下筋に分布します。

バレーの選手などで肩甲上神経が棘窩切痕あたりで絞扼を受けて棘下筋の委縮がある場合があります。

意外とこの病態は多く、オーバーヘッドスローなどをするスポーツはチェックが必要です。

肩甲上神経に鍼を打つことにより興奮した神経を鎮静させ痛みを軽減させることと支配下の筋肉を収縮させることにより筋の委縮の改善、遅延を促します。

肩甲上神経の鍼をするポイント

肩甲上神経の鍼を打つポイントは大きく分けて二つになります。

肩甲棘で肩甲骨を上下に区分して二か所になります。

肩甲棘より上の鍼をするポイント

肩甲棘より上のポイントを説明していきます。

まず肩甲棘の真ん中に合わせたライン(緑のライン)を引きます。

この緑のラインの中央部にラインに対し直角のライン(黒のライン)を引きます。

この緑と黒のラインを二分する角度でラインを引きます。(赤のライン)

赤のラインを上部にいく事1~1.5cmのところが肩甲切痕になります。

この肩甲切痕が鍼を打つポイントのひとつ目になります。

肩甲棘より下の鍼をするポイント

基本的にこのポイントは天宗穴

の位置になります。

天宗穴の取穴方法は肩甲棘中央と肩甲骨下角とを結ぶ線を3等分し、肩甲棘から3分の1のところです。

天宗穴は肩甲上神経の走行上にあるので肩関節障害には有効な経穴だと思います。

肩甲上神経刺鍼

それでは実際鍼をしているところをみていきましょう。

こちらが動画になります。

実際の鍼を打っているところの方が流れもわかりやすいのでお時間のある方は是非動画もご覧になってください。

まず肩甲切痕の位置を確認します。

肩甲上神経の鍼はしっかりランドマークから肩甲切痕の位置を同定できるかで効果が変わります。

しっかり上記のポイントを覚えてやってみてください。

肩甲上神経の刺鍼をする場合、先ほども書いたようにまず鍼を打つポイントです。その後、鍼を打つ方向です。

鍼を打つ方向のポイントは肩甲骨の面に対して直角に鍼を打つことです。

動画のようにうつ伏せで鍼を打つ時の肩甲骨の多くは、外転、上方回旋、前傾をしていることが多いです。

これは肩甲上神経刺鍼をする時だけではないのですが、解剖学の図などの多くは解剖学的姿位で絵がれているものがほとんどです。

ですので、鍼をするときの姿、姿位で骨、筋肉、神経などの位置がどう動いているかをイメージすることは非常に重要になります。

このイメージが出来る、出来ないで大きく施術効果が変わりますよ!

解剖を立体的に考える事と動いているイメージを持つ練習をしましょう。

最近では解剖学アプリも多く出ているので参考にするといいと思います。

天宗穴に鍼を打つ時も肩甲骨面に対して直角に打つのがポイントです。

まとめ

肩甲上神経は五十肩などの場合の夜間痛の時に臨床上使うことが多いです。

しっかり鍼が刺せることにより臨床の変わると思いますよ。

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