足根洞刺鍼、足首の捻挫、慢性の足首の痛みに

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今回は足根洞の鍼治療についてまとめていきたいと思います。

足根洞は鍼灸での解剖学などでは確か習わなかった部位だと思います。

しかし捻挫や慢性の足首の痛みなどには著効することも多いので是非理解しておくといいです。

理解を深めて普段の臨床に落とし込めるようにしましょう。

目次

足根洞とは

足根洞とは足首の外踝の斜め前方にあり、踵の骨(踵骨)と距骨の溝でつくられた部位です。

場所は赤い丸で囲んだところになります。

ここの溝の奥には骨間距踵靱帯があり距骨と踵骨を繋ぎ安定させています。また足根洞は自由神経終末が多数存在しているといわれています。

この中の自由神経終末が足部のセンサーとなり足をついた時などの情報を伝えてくれています。

足根洞症候群

この足根洞に炎症などの症状があると足根洞症候群といわれます。

足根洞症候群は足関節の内反捻挫をした時に距骨下関節(ST関節)も同時に捻るような捻挫で起こりやすいといわれています。

距骨下関節の捻転が先ほどご紹介した骨間距踵靱帯を部分損傷し、安定性が低くなります。またこの時、足根洞内に出血がたまり瘢痕組織や線維組織が形成されます。

この事により自由神経終末や侵害受容器などが過敏になり症状を呈するようになります。

足根洞症候群は以下のような症状を出します。

  1. 足首の痛み
  2. 足首の不安定性
  3. 歩行痛
  4. 足関節の内反時の痛み

です。歩行痛は初期では軽度ですが症状が進行すると歩行が困難になるぐらい痛みが強くなります。

また自由神経終末が過敏になっていることから下腿の易疲労感や長短腓骨筋の過緊張がある場合があります。

足首の捻挫の痛みが長く続く場合、足根洞症候群を疑うのも大切です。私の場合医師に紹介状を書き相談することも多いですよ。

また受傷起点がはっきりしていなくてもなる場合があります。

サッカーやバレエなどの底屈動作の多いスポーツなどで多く起こります。

また部位的にも二分靭帯損傷などと混同しないようにしましょう。

足根洞症候群の鍼治療

実際の鍼をしている動画はこちらになります。

実際の鍼は流れもありますのでお時間がある方は動画も宜しくお願いします。
足根洞を触診する場合は外踝から前下方に指をそらせていく時に一番落ちくぼんだ所になります。
わかりにくいときは底屈外反させると触りやすくなります。
刺す方向は足関節を挟んで反対側の内果の後方に向かうように打つと足根洞の奥深くまで入ることが多いです。
打つ前に足根洞の形をしっかりイメージしましょう。
ここでしっかりイメージが出来るかどうかで足根洞にさせるかどうかが変わります。
一気に刺すと軟部組織の損傷や自由神経終末を興奮させるため痛みが出ることもあります。
愛護的な手技を心がけましょう。
刺激が強いと痛みが残る場合もあります。
1寸3分の3番で鍼をしていますが、根元までしっかり打ち込めます。鍼をするところが違えばすぐ骨に当たります。
上手く当たると足部全体に響く感じが得られます。
打つ位置などが違うとすぐ骨に当たる感覚があります。骨に当たらなくて硬くて入らない感覚がある時もあります。その場合、骨間距踵靭帯にあたっている可能性があります。ゆっくり刺入していくとはいりますよ。

まとめ

足根洞刺鍼は足関節の捻挫で痛みが長引いた場合などの時に足根洞症候群を疑う場合に著効するケースがあります。

足根洞に鍼を打つ場合、しっかりとした解剖学的なイメージが必要です。

足部のイメージを出来るようにしましょう。

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