マラソンランナーのハムストリングの痛みに対しての鍼通電

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こんにちは!
当ブログの管理人の陣内由彦です。

今回は私が普段行っている施術の一例をご紹介していきたいと思います。

ブログは基本備忘録的に書いていくこともありますので症例もできたら数多く書いていきたいと思います。

さて今回はマラソンランナーのハムストリングの痛みに対しての鍼通電をご紹介していきます。

今回の症例で12例目になります。

前回は出産後の方の頭痛に関してでした。

よかったらこちらの方もご覧になっていただいたらと思います。

今回の記事にオススメ本
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臨床では末梢神経と筋の支配などの関係は重要な知識になります。この本はコンパクトに神経支配や徒手筋力検査がまとめられていますので非常に使いやすいです。

また購入者にはスマホやタブレットなどで電子書籍版にアクセスできるようになっていますのでペーパータイプと療法で使いやすいです。

長距離ランナーでハムストリングに痛みや張り感がある場合、肉離れをはじめとする筋由来の痛みでるケースであったり坐骨神経由来を代表とする神経由来の痛みであるケースを鑑別していくことが大事なことだと思います。

もちろんきれいに分かれるわけではなく混在している場合もありますし、他の問題がある場合もあります。

原因を最初から決めてしまうと視野狭窄になってしまうのでまずは大きい視野で診ることが大事なことだと思います。

目次

ハムストリングの痛みに苦しむ長距離ランナー

今回来院された方は30代女性のマラソンを趣味にされている方です。

競技歴は学生時代から続けておりサブ3を達成されているそうです。月間走行は200キロ〜300キロほど練習で走るとのことでした。

マラソンなどをされている方にはこの用に月間距離、ポイント練習の有無、週に何回走るなどの練習状況を聞くのも大事になります。

例えばポイント練習でスピードを上げている場合肉離れも考えられますし、ジョグで最初は痛くないけれど距離を重ねると痛みが出る、ある特定のスピードだけが痛い、など同じ「ハムストリングの痛み」でも訴え方は様々です。

この方は1キロほど走ると痛みや張り感が出てくるという事でした。

痛みと張り感の範囲はこのような範囲にありました。(ご本人の訴え)

ハムストリングの筋肉にMMTなどの問題はなく、SLR、ボンネットテストなどに特記事項はありませんでした。(SLRは20°付近で若干抵抗を感じる)

ただボウストリングテストでは陽性所見がれました。またヒブテストでは外旋角度が低く梨状筋などの深部外旋6筋に問題があることが考えられました。

この事から坐骨神経由来の事が考えられました。

 Bowstring sign test・・・関節を約90°屈曲させ、患側足を検者の肩に乗せる。膝屈曲筋を両拇指で圧迫し、痛みが無ければ膝窩を圧迫する。

今回のアプローチ

今回の刺鍼はまずヒブテストなどからも梨状筋の拘縮は考えられるので梨状筋周囲から狙って刺鍼をしていきます。

ただボンネットテストなどでは陽性所見は得られなかったですがボウストリングテストでは陽性を得られたという事はやはりどこかで問題があるのではの考えれます。

この事を考えるには神経の伸張性を理解するのが大事です。

神経は関節運動になど伴い自由に伸び縮みを行うといわれています。

これは構造が波状できているからだといわれLice Fontanaにちなんで『Fontanaband』と呼ばれています。

これによりスムーズな運動が出来るといわれています。

今回のケースでいうと絞扼部位があり神経の伸張性が少なくなっている事が考えられます。

ダブルクラッシュシンドローム

ダブルクラッシュシンドロームという概念を聞いた事はありますでしょうか?

二か所以上の部位で神経絞扼を起こしている多重神経障害の事を指します。

頚椎症による神経障害と手根管症候群などが併発がしやすいといわれています。

例えばですが坐骨神経が椎間板ヘルニアまでは診断されないぐらいの軽微な圧迫を受けてそこの圧迫だけでは症状が出ないが、同じ坐骨神経が他の部位でも圧迫されると症状が出るというものです。

この方はこのような状態にある事が考えられます。

実際の刺鍼

今回のし刺鍼は腰椎部でも多少の問題がある事が考えられた為、腰部多裂筋に刺鍼。

殿部では梨状筋部と坐骨結節~大転子の中点で傍坐骨神経刺鍼を施術しています。

また患部は疼痛部位およびモーターポイント、神経分岐部などを狙って刺鍼。

鍼通電は内側、外側ハムストリングで分けて通電。

滑走性が上がるように互い違いで収縮をさせました。

内側を3Hz、外側を5Hzともにパルス幅150μsecで15分通電。

経過

初回の施術後は痛みが無くなり当日、翌日の練習を控えてもらい練習をしてもらいました。

その日は軽めなロングジョグをしてもらいましたが痛みはなかったそうです。

その翌日に距離を伸ばしてもらったところ20キロ付近で少し痛みが出たとのことです。

一週間後に再来院をしてもらったところやはり20キロ付近やスピード練習をしたら痛みが出るそうでした。

そこで2回目の施術から股関節外旋位で梨状筋部に刺鍼を加えました。

その後痛みが出る事がほぼ消失したようです。

その後練習とケアを繰り返し4回の施術の時で完全に疼痛が出る事がなくなったとのこと。

まとめ

今回はマラソンランナーのハムストリングの痛みに対しての鍼通電をご紹介していきました。

原因が分かりにくいハムストリングの痛みって結構あって昔肉離れをしたものが瘢痕化して痛みが出ることなどもあるといわれています。

スポーツ現場では難渋する事もあるので今回のケースなども是非頭に入れていただくと嬉しく思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

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