高跳び選手の足首の内側の痛みへの鍼通電

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こんにちは!
当ブログの管理人の陣内由彦です。

今回は私が普段行っている施術の一例をご紹介していきたいと思います。

ブログは基本備忘録的に書いていくこともありますので症例もできたら数多く書いていきたいと思います。

前回は「股関節前面の痛みに対しての鍼通電」をご紹介しました。

今回でブログに症例をあげて10例目になります。

少しずつ少しずつですが書いていきますので気長によろしくおねがいします。

今回の記事にオススメ本

以前も紹介したのですが鍼灸師にとって触診はとても大切技術です。

繰り返し繰り返し修練を積んでいくものだと思っています。

特に足首周りなど細かく触らないといけないところが苦手な方は多いのではないでしょうか?

この本は新版になりカラーで更にわかりやすくなりました。

最も新しいやつは動画までついています。

私の臨床ではめちゃくちゃ大切な一冊になっています。

動画なしの方の本でも無茶苦茶勉強になります。

中古なら手軽に購入できます。

高跳び選手など跳躍系の陸上選手は足首周りの痛みを訴えることが少なくありません。

踏切足の角度なども重要ですので動画などで実際の動きなども確認をさせてもらうことも多いです。

足首の角度などが問題あると痛みが改善できてもその後の動きの改善まで視野に入れないと痛みを繰り返してしまうことも多いです。

目次

足首の痛みに悩む高跳び選手

今回来院された方は高校生の高跳びの選手でインターハイ予選を直前に控える状況でした。

痛みの主訴は足首の内側部に痛みがあり既往歴として足関節の捻挫などはないということでした。

動きとしては走るときには痛みがなく高跳びの踏切時に内くるぶしの周囲に強く痛みが出て踏切動作ができないということでした。

整形外科に受診し後脛骨筋腱炎と診断されています。

足の付き方をチェック

足部の痛みがある場合は足の付き方をみるのも大事なことだと思っています。

今回の場合は扁平足があり足の付き方がオーバープロネーション(過回内足)になっていました。

さらに踏切動作を見させていただくとオーバープロネーションが助長されされているようでした。

そうなると次のようなことが考えられます。

この足は私の足で誇張して付き方を再現しているのですが、このような足の付き方をすると後脛骨筋腱部に伸張ストレスがかかり痛みを助長してしまいます。

また扁平足がある事によりさらに負担が大きくなる事が考えられます。

痛みの部位

後脛骨筋腱炎で痛い場合の多くは内くるぶし後方から下方に痛みがある事が多く上の図であれば赤色の付近である事が多いのですが、今回のケースは赤色の部分に痛みもあるのですが踏切動作をすると青色の部分にまで痛みが出るという事でした。

圧痛点は後脛骨筋腱部にあるのですが痛みが出る部位として土踏まず周囲まで痛みが波及するならば他の要因も考えなければならないと思います。

もちろん扁平足により足の内側縦アーチが下降する事により何かしらの不具合があるかもしれません。

今回の注目ポイント

今回注目したポイントとしては内果周囲を叩くと足底部に痛みが響くという事でした。

つまりチネル徴候が確認できたという事です。

足部の内側にある神経は脛骨神経から分かれている

  • 内側足底神経
  • 外足底神経
  • 下踵骨枝
  • 内側踵骨枝

に分けられます。

これらの神経は踏切時に内反強制されることにより伸張ストレスにさらされることもありますが、小趾外転筋、短趾屈筋などの筋肉の間を通過するので伸長ストレスだけではなく潰される圧迫ストレスにもさらされることがあります。

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この辺りの解剖や刺鍼についてはnoteで詳しく解説しています。

施術方法

患部以外もふくらはぎ等にも強い筋緊張があったのでアプローチ後上の写真のように刺鍼をしています。

①は後脛骨神経を狙い刺鍼をしています。

②は神経の分岐点と母趾外転筋を狙い刺鍼をしています。

また後脛骨筋自体に刺鍼するため前脛骨筋部より長鍼で刺鍼をしています。

通電自体は傍神経刺鍼には微弱電流通電、母趾外転筋には筋ポンピングを狙って通電を行っています。

まとめ

今回は高跳び選手の足首の痛みへの鍼通電をご紹介しました。

インターハイ予選前ということもあり御本人にも焦りがある中の施術でしたが数度の施術で痛みがほぼ消失して出場することができました。

ただ最初の方でも書いたように競技を続けるのであれば痛みを取るだけでは対症療法になってしまうので再発を繰り返してしまう事も多いともいます。

適宜対応して運動療法なども行っていくのが大事だと思っています。

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