鍼通電する、しないの判断基準の一例

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こんにちは!
当ブログの管理人の陣内由彦です。

先日、はりきゅうぴくにっくという九州の鍼灸師さんを集めて楽しいことをしようというイベントに参加してきました。

そこで色んな学生さんとお話をする機会があって色んな話をさせて頂きました。

いやぁ若手の熱量って素晴らしいなと思うことが多かったですね!

そこでいろんな質問を受けて

『あぁ〜みんなそこの質問があるってことはみんな疑問に思ってるんだろうな』ってことでブログで何個か記事を作っていこうかと思います。

つれづれなるままに・・・

そもそもみなさん鍼通電ってされてますか!?

僕はご存じの方もおられるかもしれませんが結構しています。

施術割合で言えば7割ぐらいは通電をしているのではないでしょうか?

そんなときにしない理由、する理由っていうのが僕の中ではあります。

もちろん明確に線を引いているのではなくケース・バイ・ケースのところももちろんあるのですが自分の中である程度のルール決めは重要だと思っています。

まあ大事なことはやる理由をちゃんと考え、できないときはできない理由を確認しておくってことなんですけどね・・・

それでは本編にいきますね〜

目次

鍼通電をしない理由

鍼通電しない

まずはしない理由で代表的なものに禁忌事項があります。
これは必ず抑えておかないといけないので確認しましょう。

阻血組織
・中程度以上の浮腫のある部位
・知覚障害のある部位
・原因不明の急性(疼痛性)疾患の患者
・心臓に障害がある患者
出血性素因の高い患者
・悪性腫瘍のある患者
妊産婦
ペースメーカを入れている患者
皮膚の損傷、炎症部位
有熱性疾患患者
伝染性疾患患者
・静脈怒張の皮膚表面(静脈が浮き出る状態)
体内に金属・プラスチック(人工骨頭、埋没くぎなど)を埋め込んである部位
・血栓症、静脈血栓症、静脈瘤などの血管障害の恐れのある患者
・頚動脈洞上
その他、医師が不適当と認めた患者

セイリンピコリナ添付文書より

この文章はセイリンさんのピコリナの添付文書から引用したものですが基本これに該当する場合は鍼通電をすることはありません。

特にラインを引いているものに関してはすることはないです。また鍼灸の適応外のもありますのでその旨確認ください。

またラインを引いていないものに関しては専門医の先生と連携しメリット、リスク、デメリットを鑑みて行うケースが有るのですがほとんどすることがありません。

する可能性があるとするなら

  • 知覚障害のある部位
  • 悪性腫瘍のある患者

の2つになります。

前者は腰椎ヘルニア等の場合で神経症状で知覚障害を生じる場合もあります。

そのケースだと出力に注意しながら行う場合もあります。

また悪性腫瘍のある場合だと専門医の先生と確認しがん性疼痛に鍼通電を行う場合もあります。

基本は安全対策ガイドラインがありますのでこれも必ず読んじゃいましょう。

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その他の鍼通電をしない場合

まあ実際上記のような場合ってわかりやすい『しない場合』ですよね?

初学者の方なんかはそこは知ってるけど実際の臨床的にどう決めてんの?って思いますよねw

僕も資格を取り立ての頃思っていました!

ですので僕的に辞めるケースをご紹介します。

患者さんが鍼が初めての場合で不安がある

ご紹介を頂いて鍼を初めてされる方の一定数に『鍼治療』に恐怖を感じている人がおられます。

もうこれはどうしようもない鍼灸のイメージだと思っています。

声高にそれは違うと言っても一定数はおられるのは受け止めないといけない事実です。
(むしろそのような方が鍼を大好きになってくれたときむちゃくちゃ嬉しいんですけどねw)

そのような方にこちらの施術法を押し付けてもあまり良い結果を生むことは少ないように思っています。

もちろん施術法を相手に委ねるわけではなく少しづつお互いの距離を縮めるように刺激量を調整していきます。

このときファーストチョイスとして僕はあまり鍼通電を選択することはないです。行うとしても微弱電流を選択することが多いです。

もちろんこれはケース・バイ・ケースでアスリートなどで試合までの日程が決められていて『絶対』したほうがいい場合はゴリ押しで行うこともありますが・・・

体力的に弱っている場合・・・

体力的に弱っている方には行わないことも多いです。

好転反応という方もおられますがこちらサイドで刺激量を調整することで施術後のつらい反応を減らせるのであれば減らしてあげるのも僕的には大切なことだとも思っています。

無理に筋収縮を起こすことで筋肉痛のような反応も出すことがあるので・・・

特に下肢の筋肉痛のような感じは出さないようにしています。

トレーニーの方とも話すんですけど下肢の筋肉痛って上肢よりつらいんですよねw

廃用性萎縮の方で運動量を上げたいのに下肢の筋肉痛で動きたくないってなっちゃいますので・・・

ですので入院していた方の退院直後などは比較的控えることが多いです。

鍼通電をする場合

逆に鍼通電をする場合はどのような時でしょうか?

皆さんは鍼通電の目的は何ですか?

僕は行う場合の目的は主に4つです。

  • 疼痛のコントロール
  • 機能改善
  • 浮腫の改善
  • 組織回復

です。

ここは別記事で掘り下げていきたいと思います。

このような目的で上記の条件で鍼通電をしないケースに当てはまらない場合鍼通電を行います。

まとめ

今回は鍼通電をするかしないかの僕の見解を書いていきました。

結局大事になるのは禁忌の把握(知識としてちゃんと持っているかと患者さんからきちんと聴取できているか)だと思っています。そのうえできちんと考え、医療との連携ができるかどうかです。

鍼灸術は体内に刺す行為やお灸をするというリスクを生じる療術です。

簡単に考えると患者さんに不利益を被ることもあります。

一鍼灸師として常に危機感を持って業務に当たるのが重要と思っています。

自戒を込めて。

最後までご覧くださりありがとうございました。

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