こんにちは!鍼灸スキルアップ塾の陣内です。
今回は鍼灸の施術でも多い『寝違えの電気鍼治療の治療と設定』をについてまとめていきたいと思います。
寝違えはレントゲンや各種検査でも変化が診られない事もある為、原因なども様々な意見があります。そのため施術法も様々あるのが現実です。
今回ご紹介するやり方は普段私がおこなうやり方の中でもスタンダードなやり方をご紹介していきます。
臨床ではさまざまな評価のあとの施術になりますので一つの手法として見ていただけたらと思います。
寝違えの臨床
寝違えの臨床の時に考えなければならないのは筋肉の層です。
頸部の筋肉は、簡単に分けて3層に分かれています。
まずここを理解していきましょう。
第1層
第1層は文字通り一番表層にある筋肉です。
一番表層にある筋肉は僧帽筋です。
第2層
第2層は中層で僧帽筋のすぐ下にある筋肉あたります。
頭半棘筋、頚板状筋、頭板状筋、肩甲挙筋になります。
第3層
第3層は最も深いところに位置する筋肉になります。
別名、後頭下筋群ともいわれます。
頭斜筋、下頭斜筋、大後頭直筋、小後頭直筋の4つで構成される筋肉です。
頚部後面の筋肉は上記のように上・中・下の3層になっています。
特徴は上層から下層になるにしたがって筋肉の長さが短くなります。
これは上層が運動に適していて下層は安定性に寄与しているためだと考えられます。
この為、寝違えの臨床の場合動かして痛みがあるのか?姿勢を維持するための筋肉が痛いのか?を把握するのはとても大事なことになります。
私の臨床の経験では中層の筋肉たちを施術することで成果が高いので動画では中層の筋肉に施術する方法をご紹介しています。
電気鍼治療の設定
まず電気鍼治療の設定の基本をご紹介していきます。
一次痛 | 二次痛 | |
神経 | Aδ線維 | C線維 |
周波数 | 高頻度
100Hz以上 |
低頻度
1~30Hz程度 |
パルス幅 | 100μsec以下 | 100μsec以上 |
出力 | 我慢ができるくらい | 筋収縮が起こるぐらい |
まずは上記の表が基本で考えてもらってOKだと思います、慣れてくると少しずつベストなやり方を模索をしていければいいかなと思います。
このほかご紹介する動画では微弱電流を行っています。
微弱電流の設定は周波数3Hzパルス幅50μSec出力20~40μAで行います。これは組織が損傷した時の損傷電流に近いといわれ組織回復に適している電気といわれます。
一次痛は急性期に多く、二次痛は回復期に多いと理解しときましょう。
寝違えの電気鍼治療
まず動画をご紹介します。
動画を見ていただいた方が流れもわかりやすいのでお時間がある場合は動画の方もご確認ください。
では実際の鍼をしていくところを解説していきたいと思います。
先ほども書いておりますが、動画の場合は第2層を狙った施術を行ってます。しかし、いきなり少し深めに鍼を刺していこうとすると痛みの局在や硬結がわかりにくい場合があります。
表面の僧帽筋が痛みのために筋緊張が強くなっているためだと思います。
ですので表面の筋肉の緊張を取っていくために全体的に散鍼をしていきます。
散鍼をしていくと下層の筋肉を触りやすくなりますのでしっかり触っていきましょう。
2層目の筋肉を刺す時のポイントはまず下の図をご覧になってください。
鍼を刺入するときの鍼柄の持つ位置なのですが、刺しやすいところでいえば青い丸の方なのですが鍼先の感覚がわかりやすいのは赤丸の方になります。
先端を持てば持つほど鍼先の感覚が鋭敏に感じることができます。
これにより僧帽筋を通過して次の層に鍼が当たる瞬間が感知することができるようになりますよ。
このように鍼を打って電気を流していきます。
今回は座位で行っていってますが、座位で行う場合は脳貧血に気をつけながら行いましょう。
今回使用している機械はセイリン社製のピコリナでワニ口クリップは非常に軽くできていますが、写真のようにテープで留めてあげると患部に負担がかかることなく電気を流すことができます。抜鍼も少なくなりますよ。
簡単なことですが少しの気遣いで効果も心証も変わりますよ!
電気の設定は上記の表に従って行ってくださいね!
電気が終了後痛みが引き可動域が広がったら運動鍼などで仕上げを行うとより症状が軽くなりますよ。
頚部の運動鍼の記事はこちらからどうぞ
まとめ
今回は寝違えの電気鍼についてまとめました。臨床に落とし込んで少しでもお役にたてれば幸いに思います。
最後までご覧くださりありがとうございました。
ブログの更新よりyoutubeの更新の方が早いので良ければチャンネル登録もよろしくお願いします。
https://www.youtube.com/channel/UCoe7aFT4bb58pCjWbsVLZJA