こんにちは!鍼灸スキルアップ塾の陣内です。
今回は『肩甲背神経の電気鍼|神経パルス』についてまとめていきたいと思います。
肩甲挙筋、菱形筋などを支配している肩甲背神経の神経パルスのご紹介です。肩甲背神経パルスを行うことにより肩周りの不定愁訴がすっきりすることもあります。
是非普段の臨床にお役立てください。
今回の記事は
- ✓肩こりの治療の一つの手段に
- ✓肩甲挙筋の停止部付近のとれにくい症状に
- ✓首から背中の痛みに
などの方法を知りたい方にオススメな記事となっています。
肩甲背神経の走行
肩甲背神経は腕神経叢(C4~C6)から出て、背中を走行する神経です。(上の図では青くなっている神経です)
腕神経叢を出た後、後斜角筋(一部では中斜角筋とも)を貫きその後下方に走行し肩甲挙筋、大菱形筋、小菱形筋に分布し、停止する神経です。
斜角筋を通過する際、絞扼され痛みの原因になる場合もあります。しっかり鑑別することも重要です。
斜角筋症候群の際、肩甲背神経範囲で痛みがあるのはこのためだと思います。
肩甲背神経の刺鍼ポイント
肩甲背神経を狙って刺鍼をする場合、私が狙うのは次にご紹介するポイントになります。
C4からÇ6から出る肩甲背神経ですので横突起あたりを狙っていきます。
うまく刺鍼すると背部に響く感じが得られます。あたっていない場合は響きが局所だけに響くような感じになります。
ランドマークはC7(隆椎)から棘突起を数えていきましょう。
大事なのは触診になりますので普段から触診の技術は研鑽していきましょう。
肩甲背神経の電気鍼のやり方
まず実際の動画をご紹介します。
触診から刺鍼までありますので動画を見ていただいたほうがわかりやすいと思いますので是非ご覧になってください。
ここからは静止画でもご紹介しています。
胸鎖乳突筋の後縁を下方に下がっていくと頭板状筋の下方に中斜角筋が触れます。そのあたりを目安にしていきます。
胸鎖乳突筋がわかりにくければ少し回旋してもらうと筋のレリーフがはっきりしますので動かしてもらいましょう。
うまく刺鍼することができたら背部に響くような感じがします。
その感覚が一つの目安になります。
頸部に関わらずですがパルスをする場合鍼になるべくコードの負担がかからないようにしましょう。
この心がけで患者さんに対しての負担は変わりますし、抜鍼のリスクも減らせます。
少しの工夫で大きく変わりますよ。
神経パルスで行う場合、刺激を少なくしたい場合はバーストモードでする場合もあります。
設定は次の表を目安にしてみてください。
一次痛 | 二次痛 | |
神経 | Aδ線維 | C線維 |
周波数 | 高頻度
100Hz以上 |
低頻度
1~30Hz程度 |
パルス幅 | 100μsec以下 | 100μsec以上 |
出力 | 我慢ができるくらい | 筋収縮が起こるぐらい |
この感じで行ってみてください。
慣れてくるとSD曲線なども頭に入れて行うといいと思います。
どの線維を狙うかでパルス幅を変えていきましょう。
動画では僧帽筋もしっかり収縮していますがよく一緒に収縮するのことがあります。肩甲挙筋と菱形筋の収縮があるかどうかを確認しましょう。
肩甲背神経の神経の興奮を抑えることができると、肩周りの不定愁訴が改善されることがあります。
まとめ
今回は『肩甲背神経の電気鍼』についてまとめていきました。
肩甲背神経は臨床上問題になることも多いですので、是非普段の臨床にお役立てください。
最後までご覧くださりありがとうございました。
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