こんにちは!鍼灸スキルアップ塾の陣内です。
今回は『棘上筋の電気鍼治療』について書いていきたいと思います。
前回の棘上筋のトリガーポイント鍼治療に続いて電気鍼です。
前回の記事
棘上筋は肩の痛みの原因になっていることも多いです。また付着部の付近は血流量も少ないといわれ鍼灸領域でアプローチはとても効果的だと私は思っております。
しかし、夜間痛がひどい場合医師との連携をした方が効果的な事も多く鍼灸師として正しい判断をすることも重要です。
あくまで患者さんのQOLを第一に考える事が肝要です。
今回の記事でご紹介する内容は
棘上筋の起始停止などの基礎解剖
棘上筋の停止部付近の刺入方法
棘上筋の鍼通電
になります。
最後まで宜しくお願いします。
それでは勉強していきましょう♪
棘上筋の起始停止
施術をしたり、触診、鑑別をするのに一番大事なのは基礎解剖です。
解剖学のイメージがあるのとないのでは刺鍼の技術の上がり方は大きく違います。むしろないと再現性は生まれませんですし、効果判定も出来ません。
ですのでしっかりとした知識、イメージはとても大事なことになります。
起始 |
棘上窩、棘上筋膜内面
|
停止 | 上腕骨大結節上部 |
神経支配 | 肩甲上神経(C5・C6) |
作用 | 肩関節の外転(内旋、外旋) |
栄養血管 | 肩甲上動脈 |
このあたりがテキストレベルの知識だと思います。
何個かは少し難しい所も含めていますが知っておくと臨床上重要なところになります。
上の表でも書いていますが棘上筋の停止腱は上腕骨の大結節上面に付くといわれていますが、最近の研究では大結節に付く腱のほとんどが棘下筋の停止腱で棘上筋は小結節まで伸び停止している可能性があるといわれています。
エコーなどの精度が上がり今後は少しづつ解剖学なども変わってくるかもしれません。
臨床にあたって情報を常にアップロードしておくのはとても重要ですね。
棘上筋の停止部での触診
まずはきっちり触診をしていくのが重要です。
棘上筋触診する場合上のスライドでは仰臥位ですが側臥位がオススメです。
普段練習する場合などは側臥位でしていただくとわかりやすいです。
患者さんで練習するわけにはいかないので普段から練習するようにしましょう。
- 患側を上にして側臥位になってもらいます。
- 大結節上面に指をあてます
- 肩関節を内旋、伸展内転させます
- 棘上筋の停止腱が肩峰下から引き出されてくるのが触診できます
しっかり触診を出来るようにしましょう。わかりにくい方はまず結節間溝を確認し大結節を触れるようにするのが最初になります。
棘上筋停止部付近の刺鍼
まずわかりやすいように実際に刺鍼をしている動画をご紹介していきます。
流れなどもありますのでお時間のある方は動画をみていただければありがたいです。
静止画でもご紹介していきます。
狙うところは棘上筋は肩峰の下を通るところが一番炎症などを起こしやすい部位になるのでそのあたりを狙います。
まず鎖骨側から刺鍼をしていきます。
経穴でいうと巨骨から刺入していきます。刺鍼する前に大結節の位置を確認しその方向に向けて鍼をしていきます。
この方向に正しく刺入していくと肺の方にいく事はないので安全になります。
二本目は大結節より肩峰下に向けて鍼を刺していきます。
刺入方向が正しくないと上腕骨にあたって鍼が侵入していきません。
触診と鍼の刺鍼技術を研鑽すればだれでもできるようになる技術ですよ!
電気鍼の設定
それでは電気鍼の設定をご紹介していきます。
設定は次の表を目安にしてみてください。
一次痛 | 二次痛 | |
神経 | Aδ線維 | C線維 |
周波数 | 高頻度
100Hz以上 |
低頻度
1~30Hz程度 |
パルス幅 | 100μsec以下 | 100μsec以上 |
出力 | 我慢ができるくらい | 筋収縮が起こるぐらい |
これが基本的な設定の考えでいいと思います。
受容器もまた考えるといいと思います。
受容体 | μ受容体 | δ受容体 | κ受容体 |
周波数 | 2Hz | 2Hz/15Hz | 100Hz |
内因性オピオイド | βエンドルフィン | エンケファリン | ダイノフルフィン |
このあたりが基礎的な考えになっています。
電気の設定がわからないであったり、質問がある場合はtwitterの私のアカウントにDMなどいただけるとご相談に乗りやすいです。
主に鎮痛の大事な内因性オピオイドはβエンドルフィンが重要になります。
その場合通電は20分前後は必要になります。
まとめ
今回は『棘上筋の電気鍼治療』についてまとめていきました。
棘上筋は肩関節の安定性を出すローテータカフの筋肉の中で一番損傷を起こすことが多いです。しかし、構造上刺鍼は苦手に感じている方も多いかもしれません。
しっかり解剖学の知識を持ちイメージをもって刺鍼する事によって難しくなく刺鍼することができます。
是非普段の臨床にお役立てください。
最後までご覧くださりありがとうございました。
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