こんにちは!鍼灸スキルアップ塾の陣内です。
今回の記事は『外側広筋の電気鍼治療』についてまとめました。電気の設定もご紹介していきます。
是非最後までご覧になってください。
膝の痛みがある人は外側広筋の動きが優位になっていて外側広筋の筋緊張が強くなっている事が多いです。
その為、膝の痛みがある人には外側広筋のアプローチは非常に効果的です。
外側広筋のトリガーポイントの記事はこちらになります。あわせてお読みください。
外側広筋が優位
外側広筋が優位になる事の多い要因の一つに膝蓋骨と大腿骨の関係性があります。
膝蓋大腿関節(PFP)は溝が浅く出来ているためもともと外側に動きやすいといえます。
これは膝蓋骨脱臼のほとんどが外側に起こる事を考えるとよくわかると思います。
また、O脚を代表するような膝関節では外側広筋が優位で働きやすく、内側広筋が使えていない事も多いです。
他にもオスグッド、有痛性分裂膝蓋骨、腸脛靭帯炎なども外側広筋が優位になって動いていることがほとんどです。
このような事も鑑みても、膝関節障害において外側広筋のアプローチはとても大事な事だといえます。
外側広筋のアプローチ
上の図は外側広筋を側方から見た図になります。
国家試験への対策の勉強では外側広筋は大腿四頭筋の1つで大腿の前側にある。ぐらいのざっくりした知識だと思います。みてもらってわかるのですが外側広筋は腸脛靭帯の下を通過し後方にまで至ります。
大腿二頭筋と接しています。
外側広筋のアプローチをする場合の多くは、梁丘や伏兎の刺鍼することが多いと思います。
しかし、外側広筋のstiffnessを解消させたいときは個人的な見解としては前面からのアプローチに後方からアプローチを加えた方が結果がいいときが多いです。
ですので、上の図でいうと後方で〇で書いている部分からもアプローチをしていきます。
またこの部分からアプローチをする場合の刺鍼ポイントですが、腸脛靭帯をくぐるように鍼を打っていく事がポイントになります。
電気鍼の設定
まず基本の設定方法です。
一次痛 | 二次痛 | |
神経 | Aδ線維 | C線維 |
周波数 | 高頻度
100Hz以上 |
低頻度
1~30Hz程度 |
パルス幅 | 100μsec以下 | 100μsec以上 |
出力 | 我慢ができるくらい | 筋収縮が起こるぐらい |
この図を基本にしてやっていただくといいと思います。
筋緊張を改善させたい場合、5Hzでパルス幅30~50secぐらいでするのがオススメになります。
また下降性疼痛抑制系にはさまざまなシステムが存在して条件により放出される内因性オピオイド物質が異なることが明らかになっています。
受容体 | μ受容体 | δ受容体 | κ受容体 |
周波数 | 2Hz | 2Hz/15Hz | 100Hz |
内因性オピオイド | βエンドルフィン | エンケファリン | ダイノフルフィン |
これらの機序はわかりにくいですが、覚えておくと臨床の幅は広がります。
外側広筋の後面からの鍼でのアプローチ
まず実際にしている動画をご紹介していきます。
実際に動画を見ていただいた方がわかりやすい部分もありますのでよければご覧になってください。
臨床に落とし込んでくださいね!
まず刺鍼する部位を探していきます。
指で腸脛靭帯を引っ掛けるようにして外側広筋を探していきましょう。
鍼を刺していく場合には触診技術は必須ですよ。
腸脛靭帯の下をくぐるように鍼をしていきましょう。腸脛靭帯の後側から前方に鍼をしていくと外側広筋に刺さります
硬結を探しながら二本以上鍼をすると電気鍼を流していきます。
電気を通電させると外側広筋が収縮するのがわかると思います。ハムストリング(大腿二頭筋)に鍼が刺さっていると坐骨結節の方まで収縮がありますので確認してみてください。
腸脛靭帯の下に外側広筋がありますので収縮すると腸脛靭帯まで収縮しているように感じますが、腸脛靭帯の起始停止部を触ると収縮していないのがわかると思います。
まとめ
外側広筋のアプローチについて今回はまとめてみました。前面からのアプローチはよくされていると思いますので、後面のアプローチも是非取り入れてくださいね。
最後までご覧くださりありがとうございました。
ブログの更新よりyoutubeの更新の方が早いので良ければチャンネル登録もよろしくお願いします。
https://www.youtube.com/channel/UCoe7aFT4bb58pCjWbsVLZJA