野球肩の鍼灸治療の一例

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こんにちは!鍼灸スキルアップ塾の陣内です。

今回の記事は『野球肩の鍼灸治療の一例』です。

陣内
陣内

今回は野球肩の鍼灸治療の一例です。

競技歴も長く社会人野球の方の野球肩です。

痛みが出てからも非常に長くボールが投げられない状態でした。

今回の記事も私の備忘録的な側面になりますがどなたかのお役に立てれば幸いです。

 

目次

20代男性、投球肩

主訴

2~3年前より右肩の痛み、ボールを投げると肩にピリッとした強い痛みがでる。

競技は1年以上できていない

 

ポジション、ピッチャー(10年以上)

日常的にも肩が重い感じがするとのこと

専門医ではMRI特記事項はなかったそうです。また、エコー検査では棘下筋下脂肪体に問題があるんじゃなかろうかとスポーツ整形でいわれたとのこと。

 

身体的特徴

投球ができなかったとのことでウェイトトレーニングを中心に行っていることでしっかりとしたアスリート体形だが、広背筋の緊張が強い

 

徒手検査で腱板周りの損傷を示唆するような所見はえられなかったが

2nd内旋で伸長痛、HFT陽性

このことから肩関節後方に対し何かしらの問題があることが示唆された

またヒブテストで対側股関節の内旋に制限が見られた

 

施術例

 

 

棘下筋、小円筋を狙い刺鍼し電気鍼を施術する。

電気鍼は筋ポンプ狙うように5Hzで100μsで通電

その他

菱形筋、肩甲挙筋、広背筋などに置鍼

 

棘下筋下脂肪体あたりを狙うように棘下筋の遠位部に肩甲骨を擦るように刺鍼する。

棘下筋下脂肪体は肩甲棘の下方に位置し肩甲上神経を守るように位置します。棘下筋の深層にあり棘下筋の動きに合わせて外旋では棘下筋が内側へ移動するのと共に脂肪組織も内側へと移動します。
また2nd内旋では肩関節の後面の関節包も制限因子になるためアプローチをした方が変化が大きいことが多いためアプローチをすることが多い。
関節包は刺鍼で効果が少ないことも多いので超音波で施術することが多い。
関節包の構成を考えると温熱刺激を加えた方が伸張性が出ることは容易に考えれる。
(コラーゲン線維は温熱刺激を加えることにより伸張性がでる)
小円筋の停止部の一部は関節包につくため電気による筋収縮で多少の関節包に伸長ストレスが加わると考えれるので電気鍼をする際に超音波を照射します。
詳しくはこちらの記事をご覧になってください。
やり方について書いております。
ほぼ同じような手法をしています。
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また左股関節の内旋制限が強く投球時に上半身のしなりが出る前に上半身が倒れこんでしまい肘の位置が低くなっていた。

ですので股関節の内旋制限をとるため殿部の深層外旋6筋を狙い運動鍼を行う。

施術後、可動域や疼痛がかなり軽減した。

4回施術(約1月)後、投球も問題なくできるようになり競技をされた。

 

まとめ

今回のケースはかなり上手く言ったケースで長期間復帰できていなかった選手が無事復帰できたことはかなり嬉しかったです。

長期化していることもありちょうど好転するタイミングだったかもしれないですが、復帰できたことに対してかなり喜んでくれたのが印象的でした。

施術後2年ほど肩のケアに通院されていますが大きな怪我無く投げれているそうです。

 

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