こんにちは!
当ブログの管理人の陣内由彦です。
今回は私が普段行っている施術の一例をご紹介していきたいと思います。
ブログは基本備忘録的に書いていくこともありますので症例もできたら数多く書いていきたいと思います。
前回は頭重感についての鍼治療について書いていきました。
今回でブログの方向を変えて症例を書き始めて6例目になります。
少しずつでも書いていけたらと思います。
アキレス腱の痛みに対してのことをnoteというプラットフォームを使って書いています。
現在アキレス腱の臨床で行っていることを書いています。
アキレス腱の解剖についても細かく書いていますので是非読んでみてください。
実際アキレス腱痛で困っている方は多く、市民ランナーなどでは長期化している方も多いです。
本当は長期化する前にしっかり休んだり、リハビリをすることがいいのですが初期症状では動けてしまうので長期化する方が出てきてしまいます。
ですのでアキレス腱の痛みに対しての一番のポイントは初期処置、生活指導だと思っています。
アキレス腱の痛み 30代男性
今回は30代男性のアキレス腱の痛みの鍼治療です。
アキレス腱は30代頃から退行性変性が起きるといわれスポーツによるアキレス腱の断裂を起こすようになってくるといわれます。
ランナーなどにも多いですが意外と立ち仕事の方などにも多く感じられます。
この患者さんは普段の仕事が安全靴を履くような仕事をされているそうで日ごろ足の疲労感を感じていたそうです。
発生機序(アキレス腱の痛み発生から来院まで)
今回アキレス腱部に痛みが起きた原因が会社に向かうときに走ったら痛みが急に出たとのことでした。
痛みが出たあとは普通に歩くことができずに引きずりながら歩くことしかできなかったとのことでした。
当院来院される前に近隣の整骨院に受療されたとのことでした。
整骨院ではハイボルテージなどの電療を行ってもらったそうです。
ハイボルテージ後は痛みが半分以下に落ち着いたものの一時間後には痛みが元に戻ってしまったということで翌日当院に来院されました。
ハイボルテージ療法は鍼灸師の先生も使用されている方も多いかと思うのですが「痛みに」関して使っている方も多いのではないでしょうか?
間違いではないのですが痛みだけで使用をするとちょっともったいないと私は思っております。
実際、海外の論文などでハイボルテージ療法を探すと疼痛抑制ではなく創傷の治癒や浮腫の軽減などの論文が多く散見されます。
これはハイボルテージのツインピーク波形の特徴と極性を選択ができるという利点を使ったやりかたになります。
ハイボルテージはツインピーク波形で通電することにより高電圧で通電することができる代わりに矩形波などに比べると電荷量が約3分の1ほどになると言われています。
このため疼痛抑制などの変化を出せる時間は少なくなりいわゆる「症状の戻り」は早いと考えています。
ちょっと難しい話ですが伊藤超短波さんのITOアカデミーというところで話していますので是非こちらもご覧になってください。
ちょっと宣伝臭くなりましたがw
私は急性期の方でハイボルテージを行う場合痛みの軽減は即時的に行われて痛みは早く戻ってくる旨は伝えます。
その代わり腫れが引きやすくなる電気療法なので無理に動かないようお願いします。とお伝えしています。
アキレス腱の電気鍼
アキレス腱の電気鍼を行う場合狙う刺鍼点は色々あるのですが急性期だと患部だとおおよそ二点、腱の実質とKager’s fat padという部分の境目を狙って刺鍼をしていきます。
ここの絵で言うとアキレス腱深部のとの境に刺鍼をしていきます。
このような感じで刺鍼をしていきます。
また通電する際はアキレス腱は線維が交差をしていることが多いといわれるので刺鍼後電極を交差にして通電します。
今回の設定は
3Hz、250μs、0.03mAの微弱電流領域で通電。
通電後患部を非温熱で超音波を照射
施術後
NRS9→2
まで減少
施術後1週間は維持が出来3週続けてもらう事でほぼ緩解しました。
まとめ
今回の施術が上手くいった要因としては炎症初期から介入が出来たことと、しっかり安静期間を取ってもらう事が出来たことが大きい要因だと思っています。
アキレス腱の痛みで難渋するアスリートは長期化している事が多くこのように初期段階での炎症と施術の考え方は少し変わってきます。
やはりアキレス腱の痛み自体は痛みが出た初期から治療などを行う大事さを再確認できた症例でした。