症例5 頭重感の鍼治療

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こんにちは!
当ブログの管理人の陣内由彦です。

今回は私が普段行っている施術の一例をご紹介していきたいと思います。

ブログは基本備忘録的に書いていくこともありますので症例もできたら数多く書いていきたいと思います。

前回の症例はランニング時に外側が痛む方への鍼治療でした。

今回でブログの方向を変えて症例を書き始めて5例目になります。

少しずつでも書いていけたらと思います。

今回の記事でおすすめな本

鍼灸臨床の中で頭痛、頭重感はとても多くみる症状だと思います。

この中でやはり気を付けないといけないものはレッドフラッグなどの症状になります。

頭痛の場合は簡単に考えずにしっかり向き合うことが必要です

鍼灸院に来院される頭痛のほとんどが筋緊張性の頭痛といわれるものだと思います。

しかし中には怖い疾患も隠れています。臨床で見落とさないよう気を付けるとともに知識をアップデートをすることと専門機関に搬送する状況をつくるという事も大事なことだと思います。

目次

鍼灸師として頭痛、頭重を扱うこと

鍼灸師として私が頭痛や頭重感を診るときに最も大事にしていることは・・・

鍼灸に適した疾患かということ

です。

まあごく普通のことかもしれませんがこれって無茶苦茶重要なんですよね。

なんでかというと頭痛は人の命を奪ってしまうような病気が隠れていることがあります。

例えば

  • クモ膜下出血
  • 脳出血
  • 脳梗塞
  • 脳動脈解離
  • 髄膜炎
  • 脳腫瘍

など様々な病気があります。

これらを二次性頭痛と言います。

二次性頭痛には見逃してはいけない命を脅かす恐れのある症状があります。

これをレッドフラッグサインといいます。

鍼灸師としては絶対このレッドフラッグサインを覚えて置かなければなりませんし、見逃してはいけないと思います。

代表的な症状としては

  • 突発性で人生で最大の頭痛
  • 今までに感じたことのないような強い頭痛
  • 痛みの程度と頻度が時間によって増大していく頭痛
  • 痺れや麻痺を伴う頭痛
  • 言語障害を伴う頭痛
  • 精神障害を含む頭痛

などがあります。

この他には痛みが出てきた時間がはっきりしていることなどがあります。これは例えば、くも膜下出血などの場合痛みが出てきた時間がはっきりしています。

私たち鍼灸師が日常的に取り扱う頭痛はどちらかというと痛くなった時間ははっきりしていないことが多いですので一つの目安になります。

臨床医学各論で習ったように病名と症状を一致して覚えることは重要ですが、間違っていけないのは私たちは鍼灸師なので病名を当てることより危険な状況を察知して専門機関に送るということです。

ここを勘違いをしてはいけないと私は考えています。(勉強はしてないといけませんが・・・)

病名を当てるより症状から危険な症状を察知して専門機関に送る

ここは絶対忘れてほしくないなと思います。

さあ少し話が鍼灸の話からずれましたがここからは鍼灸の話です。

では逆に鍼灸に向いている頭痛とはどのようなものになるでしょうか?

鍼灸治療に適した頭痛とは二次性頭痛ではなく一次性頭痛といわれるような頭痛になります。

一次性頭痛には

  • 片頭痛
  • 緊張型頭痛
  • 群発頭痛
  • 後頭神経痛
  • 薬剤誘発性頭痛

などがあります。

特にこの中でも緊張型頭痛と後頭神経痛が鍼灸治療の中でも効果の望める分野だと思います。

緊張型頭痛は頭痛の中でも占める割合が高く鍼灸治療の適応は広いと考えられます。

実際この辺りは論文も多く出て基礎研究も進んでる分野になります。

最近はネットでも論文はたくさん読めますので是非気になる方はどんどん読んでいきましょう。

20代男性の頭重感

今回のケースで言うと20代の細身の男性で常に頭が重い感じがあり、睡眠が浅いとのことでした。

最近このような症状を訴える若年層が増えてきているような気がします。

原因は様々あるのでしょうがPCやスマホの影響は大きいのではないのではなかろうかと思っています。

画面を見るために目は毛様体筋を緩ませて水晶体を厚くさせてピントを近くのものを見ようと調整します。

このとき働く神経は副交感神経ですよね?

しかし、PCやスマホを使用しているとき仕事や勉強、ゲームなどをするために集中をすると働く神経は交感神経が働きます。

つまり自律神経の2つの神経をフル稼働をさせながら使用をしていくことになります。

これはかなり自律神経としては疲弊していくと思います。

このため不定愁訴が多くなってきているのではなかろうかと思っています。

またこのような作業をする場合上位交差性症候群が起こりやすい姿勢になって首肩のいわゆるコリ症状につながります。

上位交差性症候群
上位交差性症候群

このような姿勢で作業を行っている方も多いですよね。

こうなると後頭下筋群や板状筋などが緊張が強くなることも多く、これらの筋肉には大後頭神経を絞扼し頭重感、頭痛が起きている事が多いと個人的には思っています。

刺鍼ポイント

華佗夾脊穴を使って盤龍刺という刺鍼の方法を行います。

盤龍刺
盤龍刺

華佗夾脊穴を左右に交互に刺鍼をしていく方法です。

背部には交感神経節もあるので交感神経が優位になっている症状の方などに刺鍼をすることが多いです。

また後頭下筋群や板状筋は必須の刺鍼ポイントになります。

これに眼精疲労が加わると目の周りなどの刺鍼を加えていく事になります。

まとめ

今回は頭重感の鍼治療についての一例をご紹介していきました。

鍼治療では不定愁訴への施術にはかなり効果的なことが多いと私は思っています。

うまく対応する事で鍼灸の良さを体感してもらえると思います。

しかし、危険な疾患が隠れていく事もありますので鍼灸師側は気を引きして施術を行うのが重要だと思っています。

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