今回は『棘上筋の電気鍼治療』について書いていきたいと思います。
電気鍼治療は別名パルス鍼とも言われる鍼治療の一種になります。
痛みを抑えたり、筋肉を収縮させることによって動きをよくしたりする鍼療法です。
電気鍼をすることによって痛みを改善したり、刺激量なども変えられますよ。
棘上筋のトリガーポイント鍼治療と併用すると効果もいいですよ。
棘上筋の起始停止
まずおさらいに棘上筋の基礎解剖をおさらいしましょう。
起始 |
肩甲骨の棘上窩、棘上筋膜内面
|
停止 | 上腕骨の大結節上部 |
神経支配 | 肩甲上神経(C5・C6) |
作用 | 肩関節の外転 |
栄養血管 | 肩甲上動脈 |
棘上筋は肩峰の下をくぐり上腕骨の大結節につくところで摩耗されやすく筋損傷を起こしやすいといわれています。
そのため肩関節のローテーターカフの中で最も損傷しやすい筋肉だといわれています。
肩関節の外転に作用するといわれていますが主な作用は上腕骨の骨頭を求心位に保つことです。
棘上筋をはじめとするローテーターカフを損傷すると求心位を保てなくなり、肩関節の安定性が低くなります。
電気鍼の設定
鎮痛のメカニズムは複雑です。
こちらの本では簡潔に説明されていますのでおススメです。
電気鍼をする場合さまざまな設定をしていくのですが、おおよそな目安として
低周波領域の電気鍼
急性期・・・・100Hzで筋収縮を起こさないように通電する
慢性期・・・・2Hzで筋収縮を起こすぐらいで通電する。βエンドルフィンに作用
筋ポンプを起こし循環をよくする・・・5Hz程度で通電する
MCR(マイクロカレント)での通電
急性期・・・200~400Hzで200~400μAで通電
慢性期・・・0.3Hz~3Hzで30μA程度の損傷電流ぐらいで通電
が私が行っている電気鍼の設定になります。
パルス幅になるとSD曲線を基本で設定をしていきます。
棘上筋の電気鍼のやり方
それでは刺入ポイントから説明していきます。
棘上筋の刺入ポイント
電気鍼をする場合まず狙うところは運動点(モーターポイント)といわれる部位になります。
棘上筋の電気鍼
実際に鍼を刺している動画はこちらになります。
動画を見てもらった方がわかりやすいので是非ご覧になってください。
筋収縮をさせる場合、大結節を触ると筋の収縮が触知することができます。
大結節の上部で触知ができない場合の多くは僧帽筋にしか当たっていないことが多いです。
しっかり触診をして鍼がさせるようにしましょう。
まとめ
今回は棘上筋の電気鍼について書いていきました。
棘上筋は肩関節障害では非常に重要な筋肉です。
臨床での頻度もかなり多い筋肉なのでしっかり触診できるようにしましょう。
しっかり臨床に落とし込めるようにしていきましょう。
最後までご覧くださりありがとうございました。
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