こんにちは!
当ブログの管理人の陣内由彦です。
今回は私が普段行っている施術の一例をご紹介していきたいと思います。
ブログは基本備忘録的に書いていくこともありますので症例もできたら数多く書いていきたいと思います。
前回は変形性膝関節症の一例ついてご紹介していきました。
今回でブログの方向性を変えて症例を書き始めて9例目になります。
少しずつでも書いていけたらと思います。ペースが遅くて申し訳ないです。
股関節ってなかなか臨床で難しく思う事が多いです。
基礎的な事から臨床的にも知っておきたいところまで幅広く書いてあります。
股関節疾患で迷ったときには是非持っておきたい一冊だと思います。
今回のケースはアスリートの股関節の施術例になります。
陸上短距離100mの選手です。
股関節の痛みの出方
今回は当院来院される前にスポーツ整形外科に受診しMRIにて腸腰筋(大腰筋)の肉離れと診断されています。
受傷後3ヶ月経ち画像上では炎症所見などはなくなり練習を再開したものの痛みが残っているということで来院されました。
このような方って意外と多くなかなか痛みが改善しないケースもあると思っています。
特にこのように画像診断でも問題がなく痛みが残っているケースの中には
機能的な問題
が残っていることが多く、症状を追いかけるだけでは難しいこともあります。
股関節の動きのつまり感
股関節の問題があるときに多いのが股関節のつまり感があることが多いと私は感じています。
器質的な問題で股関節のつまり感がある場合もあるのですが機能的な問題でつまり感が出ていることも多いと思います。
股関節はもともと可動域が大きい関節なのでここに可動域制限があると他の関節に影響が出ることが多いです。
いわゆるジョイントバイジョイントセオリーと呼ばれるものですね。
ジョイント バイ ジョイント セオリー」とは人体の関節が、「安定性が重要視される関節」と「可動性が重要視される関節」に分けられ、それぞれが交互に並んでいるという理論です。
股関節の場合股関節は可動性が重要視される関節に分類され腰部や骨盤帯が安定性が重要視される関節になります。
つまり股関節の可動域が制限されると元もスタビリティが重要な腰部などが代償して動くことになり破綻をきたすことがあるということですね。
少し話がそれましたが股関節はざっくりいうと
- 大腿骨
- 腰椎
- 骨盤
の協調運動が破綻した場合に可動域制限が出るわけですね。
ですので骨盤大腿リズムなどの動きを確認したり、腰椎の屈曲運動など様々な動きをみるのも重要です。
今回のケース
今回のケースはしゃがみ込みでやはり股関節の前面につまり感が発生しました。
しかし、腰椎や骨盤大腿リズムに大きく問題があるように感じられませんでした。
股関節の後方組織(大殿筋・深層外旋六筋・中殿筋)などのタイトネスもそこまで顕著に感じられなかったので前方組織の滑走性を疑いました。
特に今回は大腰筋の肉離れを起こしたあとということもあるので。
アプローチ法
まずは大腰筋を狙って後方から刺鍼をしていきます。
大腰筋を狙う場合L4から外側に6~7cm程度外側にいったところからやや内側に鍼を刺入していきます。
詳しくは私のnoteというプラットフォームで書いた記事をご覧になってみてください。
刺鍼方法はもちろんの事ですが大腰筋の解剖学的な事など色々書いています。
是非お読みなってください。
動画はこちらになっています。
大腰筋に刺鍼した後に鍼通電を行っていきます。
今回は5Hzでパルス幅は100μsecで行いました。
滑走不全には加温をする事によって滑走性が向上する事が多く、筋の運動を促しながら加温する事は個人的には効果を実感できることが多いです。
3MHz 1.5w/㎠ 100% 3分照射
このように施術を行いました。
施術後つまり感及び引き上げ動作の痛みが軽減し、施術二日後から少しずつ動いてもらいながら翌週もう一度来院していただき練習に復帰する事が出来ました。
まとめ
今回は股関節前面の痛みに対しての施術をご紹介していきました。
股関節前面の痛みやつまり感は器質的な問題がある場合も多くなかなか難しいケースも多々あります。
今回はすんなり上手くいきましたが難渋する事もあります。
最後までご覧くださりありがとうございました。