こんにちは!鍼灸スキルアップ塾の陣内です。
今回の記事は『上腕二頭筋のトリガーポイント鍼治療』についてまとめていきたいと思います。
上腕二頭筋はいわゆる力こぶを作る筋肉です。
ですので、物を持ち上げる動作を繰り返すような方にトリガーポイントが形成されやすいです。
このような方の肩の痛みや肘の前面の痛みの原因に上腕二頭筋のトリガーポイントが原因となっていることがあります。
しっかり理解して臨床に落とし込んでいきましょう。
今回の内容は
- 上腕二頭筋の基礎解剖
- 上腕二頭筋のトリガーポイント好発部位
- 上腕二頭筋のトリガーポイント関連痛領域
- 上腕二頭筋のトリガーポイントの刺鍼法
です。
是非最後までご覧になってください。
上腕二頭筋の起始停止
上腕二頭筋は長頭と短頭に分かれており別々に確認をしていきましょう。
上腕二頭筋長頭の起始停止、作用
起始 | 肩甲骨関節上結節、上方関節唇 |
停止 | 橈骨粗面、前腕屈筋腱膜 |
神経支配 | 筋皮神経(C5~C6) |
作用 | 肘関節の屈曲、肩関節の屈曲、前腕の回外 |
栄養血管 | 上腕動脈 |
上腕二頭筋長頭は肩甲骨関節上結節、上方関節唇から始まり関節内を抜けて上腕骨の結節間溝を通り上腕部に出ていきます。関節内の長頭腱は烏口上腕靭帯の下方で棘上筋と肩甲下筋の間(腱板疎部)を走行します。
上腕二頭筋短頭の起始停止、作用
起始 | 肩甲骨烏口突起 |
停止 | 橈骨粗面、前腕屈筋腱膜 |
神経支配 | 筋皮神経(C5~C6) |
作用 | 肘関節の屈曲、前腕の回外 |
栄養血管 | 上腕動脈 |
上腕二頭筋短頭は烏口腕筋と合流し、共同腱を形成し烏口突起に付着します。
上腕二頭筋のトリガーポイント関連痛領域
上腕二頭筋のトリガーポイントの関連痛領域は
- 肩関節前面、上腕二頭筋長頭腱炎に準ずるような痛み
- 肘関節前面に広がるような痛み
範囲が飛んだようにでます。押圧による認知覚はどちらかに出ることが多いです。
また重たいものなどを持つときに痛みが再現されることが多いです。
上腕二頭筋のトリガーポイントが形成されやすい所
上腕二頭筋を正面から見た図なのですが、トリガーポイントが形成されやすい部分は筋腹よりやや停止部に近いところにできやすい傾向にあります。
しかしこれにとらわれず起始に近い辺りにできることもあります。
しっかり、全体に触診をしながらトリガーポイントを探すようにしましょう。
上腕二頭筋のトリガーポイントの刺鍼法
静止画でも説明しますが、動画の方が流れもわかりやすいのでよければ動画の方もご視聴ください!
トリガーポイントを触診するにはまず
上腕二頭筋の触診が大事なります。
上腕二頭筋に限らず、触診は臨床のレベルを上げるために必要です。
上腕二頭筋のトリガーポイントを探す時のポイントは普通に押圧をしていくのもいいですが上記の写真のように筋腹を挟むように探していくとトリガーポイントが探しやすかったりします。
索状の硬結が触知しやすいですしヌルヌルしているような感覚もわかりやすいと思います。
押し手を作るときは中指と示指で挟むように硬結を放さないようにして上腕二頭筋を把持します。
把持した状態で母指と示指で押し手を作ります。
索状に伸びたトリガーポイントを押し手で逃がさないようにしながら鍼を刺していきます。
しっかり刺すことができると局所性の単収縮を誘発することが多く、認知覚を得ることができます。
まとめ
今回の記事は『上腕二頭筋のトリガーポイント鍼治療』についてまとめて書いていきました。肩関節の痛みなどには上腕二頭筋はよく使うポイントでもあります。
またトリガーポイントが形成されやすい方は上腕二頭筋が優位に働いて上腕筋が働いていない方も多いです。
うまくこの辺りを改善できると症状の経過もいいと思います。
このほか上腕二頭筋長頭腱部の運動鍼と併用するのもいいと思いますよ。
最後までご覧くださりありがとうございました。
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