間欠性跛行様症状を呈していた腰痛患者さんへの鍼灸治療+物理療法の一例

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こんにちは!
当ブログの管理人の陣内由彦です。

最近はいろんな感染症などの問題が多く外に出る事が少なくなって筋力が低下する事によって間欠性跛行様症状を呈している高齢者の方が増えてきている気がします。

鍼灸師として健康寿命を維持するために何ができるかを考えるのかは非常に重要だと思っています。

このような方に第一に出てくるのが『サルコペニア』だと思います。

今回の記事におすすめ本
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サルコペニアの知識に対してアップデートは大事だと思います。

この本は非常に分かりやすい本なので手元に持っておいて損はないと思います。

是非ご覧になってください。

今回記事内でご紹介する症例は地域のかかりつけ医の先生などともご連絡を取りながらの鍼灸臨床に当たっております。

サルコペニアなどを罹患される場合基礎疾患もある事が多いため専門医の先生など共に臨床を進める事が大事だと思っています。

今回の記事もサルコペニアなどに対してご紹介はありませんのでご了承ください。

前回の症例のぎっくり腰に関する記事はこちらになります。

目次

間欠性跛行様症状

さて今回は間欠性跛行様症状と書いたのは訳があります。

間欠性跛行とは

一定の距離を歩くと、ふくらはぎなどにうずくような痛みやしびれ・疲労感があって歩行が次第に困難になり、しばらく休息すると治まるものの、また歩き続けると再び痛みだすという症状

厚生労働省eネットより

ですね。

パッと間欠性跛行が起きていると疾患名で出てくるのが『腰部脊柱管狭窄症』だと思います。

その他でいうと『閉塞性動脈硬化症』などが出てくると思います。

ですので間欠性跛行が起きている場合除外診断やなにか鍼灸師の適応外の障害がある事もあるので専門医への紹介が必要になると私は考えております。

今回のケースは専門医では腰部の変形は診られるが腰部脊柱管狭窄症までの診断は出ていない状況でした。

また今回のケースは下肢症状と共に腰痛も訴えてあったので前回同様レッドフラッグも確認しておきましょう。

日本の腰痛診断ガイドラインでは次のように定められています。

発症年齢 <20歳または>55歳
時間や活動性に関係のない腰痛
胸部痛
癌、ステロイド治療、HIV感染の既往
栄養不良
体重減少
広範囲に及ぶ神経症状
構築性脊柱変形
発熱

腰痛診断ガイドライン2021日本整形外科学会 日本腰痛学会

これらがある場合は命の危機があるような疾患が隠れていることもあるので絶対見逃してはいけません

新患の方だけではなく毎回確認する事はとても大事なことですね。

間欠性跛行は大きく分けられ 『神経性』と『血管性』が分けられます。

前者は腰部脊柱管狭窄症が該当し、後者は閉塞性動脈硬化症などが考えられます。

今回のケースに移っていきたいと思います。

80代女性腰痛

今回のケースは

80代女性で腰部に痛みがあり

歩行により下肢(特に大腿前面)に痛みやだるさが起こ歩けなくなる。

休憩をすると歩行が可能になる

というのが主訴でした。

間欠性跛行は一般的に多いのが

腰部脊柱管狭窄症では歩行と共に腰や大腿外面や後面に痛みやだるさが出る事が多く、閉塞性動脈硬化症は下肢全体がはれぼったくなり重くなって歩行ができなることが多いといわれています。

しかし今回は主に訴えられたのが大体の前面で専門医からは脊柱管狭窄症は除外診断をされていました。

ここでチェックポイントとして大腿部の周径を確認しました。

大腿の周径は膝蓋骨上縁から5cm近位、10cm近位、15cm近位で筋の委縮の反映が違うといわれています。

5cm近位では内側広筋、10cm近位では外側広筋、15cmでは大腿部全体の委縮を反映するとの報告があります。

大腿部の全体の委縮が診られたのでこれらが問題なのではないかと考察がされました。

お話を伺うとコロナや他の病気の感染を危惧し外出や運動を控えるようになっていたとのことでした。

実際の施術

このような患者さんの多くは円背姿勢であることが多く、脊柱起立筋や多裂筋の過緊張が起こっていることが多く筋内圧の上昇に伴う血流障害性の腰痛を起こしていることが多いです。

このようなケースでは腰を反らすことで一時的筋内圧が加工して血流がよくなるために腰痛が楽になることがあります。

このような症状を腰部コンパートメント症候群という事もあります。

しかし腰部コンパートメント症候群では脊柱起立筋などに著明な圧痛が少ない事があります。

ですが患部の刺鍼の方針としては脊柱起立筋や多裂筋などの過緊張に対しての刺鍼がメインになります。

また上殿皮神経障害が併発していることも多いのでこれらに対してもアプローチをしていきます。

また腰部のアプローチだけでは症状が改善しても一時的なことが多く下肢に対するアプローチも重要です。

円背などの場合下肢後面に刺鍼をすることが多いです。(私の場合反応点に刺鍼)

今回はさらに大腿部の筋の委縮が顕著に診られたためNMESを大腿前面に通電しながらパテラセッテイングを行いました。

NMESの良さは筋委縮などを起こしている方などに自動運動とともに行うと動かしにくくなっている筋肉が動かしやすくなって動かせるという事になります。

これは運動の再教育には非常に適していると私は考えています。

この患者さんは腰痛の対処療法と大腿の筋肉および殿部の筋肉(運動量の増加に伴い追加)のNMESを加療したところ1月程度で歩行の延長が出てきました。

2か月程度で歩行時の痛みが解消され今では散歩を楽しむようになっております。

まとめ

今回は間欠性跛行様症状を呈していた腰痛患者さんへの鍼灸治療+物理療法の一例という事でご紹介をしていきました。

間欠性跛行=疾患名で安易に考えてしまうとなかなか臨床では結果が出ないことも多いです。

特に慢性の経過をたどる症状だとうまく患者さんとゴール設定をしながら途中経過でモチベーションを保つことが重要になると思っています。

特に今回は経過がよかったのはご本人様のやる気が高かったという事が一番と思います。

それとかかりつけ医の医師とうまく連携が取れたのがよかったと思います。

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