今回は肩関節の障害の中で多い『腱板損傷の電気鍼』について書いていきたいと思います。
電気鍼についてYoutubeに動画を何本かあげている中でマイクロカレントと低周波領域の電気鍼について話をしていたのですが、twitterやyoutubeのコメントを寄せていただいた中に「実際にどう使っているのか?」や「マイクロカレントと低周波は併用しているのか?」
など実際の施術方法を聞かれることがありました。
本来、私の動画やブログは具体的な治療例をあげることはありませんでした。
あくまで○○筋に対しての鍼の刺し方や○○筋のトリガーポイントのようにアプローチの仕方をご紹介しています。
これは自分で評価をしてアプローチをするところを決めて施術をした方が結果が伴うと思っているからです。
評価をして考察をし、アプローチの段階の一助になるように動画とブログを構成しているつもりです。
しかし今回は電気鍼の設定や刺激の決め方のご紹介のため『腱板損傷の電気鍼』としております。
ですので、内容そのままというより設定の決め方を参考にして工夫をしていただけたらと思います。
是非最後まで見てください。
腱板損傷
少し前置きが長くなりました。
腱板(=ローテーターカフ)はご存知のように、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つからなります。
その中で、最も損傷しやすいのは棘上筋です。
棘上筋についてはこちらの記事もどうぞ。
棘上筋をはじめとする腱板を形成する筋肉たちの主な働きの1つは上腕骨の骨頭を肩甲骨の関節窩に安定させるという働きになります。
これらの働きがあるためローテーターカフの筋肉が肩関節の安定性に関係しているといわれます。
その中で棘上筋は解剖学的な特徴により損傷されやすいといわれています。
- 肩峰下部でインピンジメントが起こり摩耗されやすい
- 血管が少なく栄養されづらい
という特徴があります。
これらの理由により棘上筋が損傷や断裂が多いといわれます。
棘上筋の損傷の刺入ポイントと通電法
まず実際に鍼を打っている動画はこちらになります。
動画の内容を解説していきます。
時間がある方は動画を見ていただいた方が内容がわかりやすいと思いますので是非ご覧になってください。
まず刺入点として棘上筋の損傷しやすい部分を狙って鍼をしていきます。中心に近い方の青い丸から鍼を打ちます。棘上窩から肩峰をくぐるように鍼を打っていきます。
経穴でいうと巨骨穴から大結節にに向かって鍼を刺入していきます。
もう一方の青い丸の方は大結節あたりから上腕骨の骨頭と肩峰の隙間に鍼を入れるように刺入していきます。
ここの二点を結んでマイクロカレントで通電します。
通電設定
周波数3Hz パルス幅100μsec 出力30μA
このマイクロカレントの設定は損傷電流に近い設定になるので組織回復を早めてくれる効果があります。
肩甲上神経の損傷の刺入ポイントと通電法
肩甲上神経の刺鍼について詳しく書いている記事はこちらになります。
肩甲上神経を狙う場合狙うポイントは肩甲切痕と棘下窩の中央になります。
肩甲切痕を狙うポイントは次のようになります。
まず肩甲棘の真ん中に合わせたライン(緑のライン)を引きます。
この緑のラインの中央部にラインに対し直角のライン(黒のライン)を引きます。
この緑と黒のラインを二分する角度でラインを引きます。(赤のライン)
赤のラインを上部にいく事1~1.5cmのところが肩甲切痕になります。
この二点を結んで低周波通電します。
周波数2Hz パルス幅50~100μsec 出力 筋収縮がするぐらい
で通電します。
この設定は下降性抑制系を刺激しβエンドルフィンが出るといわれています。
まとめ
今回は『腱板損傷の電気鍼』についてご紹介していきました。実際の私が臨床で使うような設定をご紹介しています。このまま臨床で使うより何かのヒントとして見ていただければいいと思います。
最後までご覧くださりありがとうございました。
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