アキレス腱炎の運動鍼|痛みをとる鍼治療

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こんにちは!鍼灸スキルアップ塾の陣内です。

今回は運動鍼についての第13弾『アキレス腱炎の運動鍼』です。

運動鍼シリーズも13回目になります。

今までの運動鍼シリーズのご紹介は一番下に載せますので宜しくお願いします。

アキレス腱の痛みは非常に幅広い年齢層で起こりやすく、鍼灸の臨床でも多く診る整形外科疾患です。

アスリートから年配の方まで痛みが出ることも多く、治りが悪く非常に困っている方も多いです。

運動鍼は他の鍼灸療法に加えておこなうことによってかなり効果的です。

最後まで是非宜しくお願いします。

目次

アキレス腱炎

アキレス腱炎の前にアキレス腱の基本的な構造を復習していきましょう。

アキレス腱は腓腹筋とヒラメ筋の共同腱で、人体最大の腱といわれています。

腱鞘は存在せず、パラテノンという結合組織で覆われコラーゲン組織で構成されています。

また、内部は『捻じれ』構造をしているため非常に強靭な作りになっています。

M Edama, M Kubo, H Onishi et al: The twisted structure of the human Achilles tendon. Scand J Med Sci Sports. 2015 Oct;25(5):e497-503.

しかし、このように強靭に造られているアキレス腱が損傷しやすいかというとまず考えられるのが

  • アキレス腱は運動(歩行・ランニング・ジャンプ)によって負担がかかりやすい
  • 年齢によって変性を起こす

簡単に出てくる問題として大きくはこの二つです。

アスリートでも微細損傷を繰り返しアキレス腱の変性を起こすと肥厚するといわれています。

左右比較してアキレス腱が肥厚している状態はかなり危険といえます。

この場合で運動をしているのであれば、競技は一時的にストップをしたほうがいいと言えます。

無理に運動をすることによってアキレス腱の断裂のリスクは高くなります。

施術する側の人間として、アスリートを守ることは重要な責務だと思います。

また抱え込まず専門医とも連携することも重要だと思っています。

またアキレス腱と踵骨の間には滑液包が存在して、アキレス腱と踵骨の摩擦により炎症をきたしていることも非常に多いです。

脛骨とアキレス腱の間にはKager’s Fat Padという人体最大の脂肪体も存在し、施術の際にはこの部分の滑走性も重要になります。

アキレス腱の運動鍼

まず施術をしている実際の動画をご紹介していきます。

実際の流れがありますので、是非動画も観ていただいたほうがわかりやすいと思います。

使用する鍼はセイリンのDタイプに二番を使用しています。

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短鍼のほうが運動鍼には使用しやすいと思いますよ。

刺鍼方は撚鍼のほうがやりやすくなれると非常に簡単に施鍼することができますよ。

アキレス腱部から踵骨の上端に沿って鍼を刺します。

これはアキレス腱の下にある滑液包を狙って鍼はしています。

滑液包も本来可動性があるといわれ、炎症が起こると可動域は低下します。

次に同じようにアキレス腱の長軸方向に沿って内外側両方に鍼を刺鍼します。

同じように撚鍼で刺鍼しています。

刺鍼したら皮膚を動かしていきます。

皮膚は感覚器でもありながら、運動器でもあります。

皮膚運動が少なくなると関節運動に支障をきたしてきます。

ですので皮膚の運動は非常に重要になります。

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皮膚運動ができるようになると次は関節を動かしていきます。

皮下までしか刺さっていなければ痛みを感じることはありません。

多動運動から自動運動、OKCからCKCの順で行うことがおすすめになります。

まとめ

今回はアキレス腱部の痛みの運動鍼についてまとめました。アキレス腱部の痛みは意外と多く運動鍼は効果も高く再現性も高いのでおすすめです。普段の臨床のプラスαとして考えてみてください。

よければ是非臨床にお役立ててください。

最後までご覧くださりありがとうございました。

ブログの更新よりyoutubeの更新の方が早いので良ければチャンネル登録もよろしくお願いします。

https://www.youtube.com/channel/UCoe7aFT4bb58pCjWbsVLZJA

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