こんにちは!鍼灸スキルアップ塾の陣内です。
今回は運動鍼についての第12弾『鵞足炎などに使える運動鍼』です。
運動鍼シリーズも12回目になります。
今までの運動鍼シリーズのご紹介は一番下に載せますので宜しくお願いします。
どちらかというと運動鍼ビギナー記事なっています。
しかし、運動鍼は正しく運用すれば痛みの軽減や可動域を拡げるためには非常に有効です。
是非臨床に落とし込んでください。
最後までご覧ください。宜しくおねがいします。
鵞足炎
鵞足は縫工筋、薄筋、半腱様筋で構成される共同腱で、停止前に滑液包が緩衝役をしておりその部分で炎症を起こしている状態が鵞足炎といいます。
鵞足部に痛みがあることは意外と多く、膝の内側の痛みの原因になっていることはよくありますので注意が必要です。
それでは基礎的なところから確認していきましょう。
縫工筋の起始停止
起始 | 上前腸骨棘 |
停止 | 脛骨粗面の内側 |
神経支配 | 大腿神経(L2~L3) |
作用 | 股関節の屈曲、外転、外旋
膝関節の屈曲、下腿の内旋 |
栄養血管 | 大腿深動脈、下行膝動脈の伏在枝 |
薄筋の起始停止
起始 | 恥骨結合及び恥骨弓 |
停止 | 脛骨粗面の内側 |
神経支配 | 閉鎖神経(L3~L4) |
作用 | 股関節の内転、屈曲
膝関節の屈曲、下腿の内旋 |
栄養血管 | 閉鎖動脈 |
半腱様筋の起始停止
起始 | 坐骨結節 |
停止 | 脛骨粗面の内側 |
神経支配 | 脛骨神経(L4~S2) |
作用 | 股関節の伸展、膝関節の屈曲 |
栄養血管 | 下殿動脈、貫通動脈 |
以上が鵞足を形成する筋肉です。
基本的な解剖を抑えるのは非常に重要です。ぜひ頭に入れておくようにしましょう。
また臨床上問題になるのは薄筋腱が多いとされ、薄筋腱に沿って神経、血管網が発達しているためだといわれています。
また鵞足部にある鵞足滑液包にも炎症があることも多いため、鑑別を行うのが重要になります。
鵞足部の運動鍼
まず動画をご紹介します。よければご覧になってください。
実際の流れとかも確認できますので、ブログの記事と動画と併用してもらえると理解は深まると思います。
静止画でもご紹介していきます。
使用している鍼はセイリンのDタイプの2番鍼を使っています。
短鍼のほうが使いやすいので5分鍼程度が使いやすいですよ。
刺鍼をするときは皮下に留めるように水平刺ぐらいで行うようにしましょう。
筋組織に刺さると動かすことによって痛みがありますし、筋組織を破壊することもリスクとして考えられるので浅めの鍼を推奨します。
上の図でいうと皮下脂肪ぐらいまでの刺入のイメージで行いましょう。
刺入は撚鍼で行うことがおすすめです。
撚鍼は最初は難しいかもしれませんが慣れれば簡単ですよ。
是非習得してほしい技術になります。
圧痛などを目安に何本か鍼をしていきます。
このときツボとかを考えずできるのが運動鍼の優れたところだと思います。
鍼をしている状態で皮膚を動かしていきましょう。
皮膚は感覚器でもあり運動器でもあります。ここの動きが悪いことにより関節運動も阻害されます。
皮膚運動が良くなったのを確認できたら関節運動も行っていきます。
皮下までしか刺さっていなければ痛みを感じることはありません。
多動運動から自動運動、OKCからCKCの順で行うことがおすすめになります。
まとめ
今回は鵞足部の痛みの運動鍼についてまとめました。鵞足部の痛みは意外と多く運動鍼は効果も高く再現性も高いのでおすすめです。普段の臨床のプラスαとして考えてみてください。
よければ是非臨床にお役立ててください。
最後までご覧くださりありがとうございました。
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https://www.youtube.com/channel/UCoe7aFT4bb58pCjWbsVLZJA運動鍼シリーズ
第1弾『首の運動鍼』
第2弾『シンスプリントの運動鍼』
第3弾『股関節の運動鍼』
第4弾
『ハムストリングの運動鍼』
第5弾
『膝の痛みの運動鍼』
第6弾
『腰の運動鍼』
第7弾
『手首の運動鍼』
第8弾
『足首の運動鍼』
第9弾
『内側上顆炎の運動鍼』
第10弾
『腰の回旋をだしたい時の運動鍼|腰痛や動きのキレに鍼治療』
第11弾
『運動鍼のやり方!上腕二頭筋長頭腱炎編』