棘下筋の運動鍼

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こんにちは!鍼灸スキルアップ塾の陣内です。

今回は『棘下筋の運動鍼療』について書いていきたいと思います。

運動鍼シリーズも今回で15回目になります。

他のシリーズは最後の方にご紹介していきますね。

運動鍼は知らない方は非常に不安に思われるかもしれませんが、きちんと行えば痛みもなく効果も再現性の高いやり方になります。

ビギナーの方に向けての記事なりますが、鍼灸師になりたての先生にこそ運動鍼を知っていただきたいです!

それでは最後までよろしくおねがいします!!!

では学習していきましょう。

目次

そもそも運動鍼って!?

運動鍼の記事を書くのも久しぶりになりますので運動鍼についても書いていきます。

運動鍼とは鍼をしたまま動かす方法

です。

これだけじゃなかなかわらないですよね!?

でも実際定義としては多分これぐらいしかないのが実情です。

しかも鍼をしたまま体を動かすことに忌避感があるかたも多いと思います。

「だって痛そうじゃん」って声が聞こえてきそうですw

実際セミナーやyoutube、twitterなどの質問で多いのが

「痛くはないか?」
「鍼は折れないか?」
「組織損傷はおこさないか?」

だいたいこの三つになります。

私は運動鍼はやり方によっては上記三つはクリアできると思っています。

どれもリスク的には他の鍼治療と変わらないものだと思っています。

ですので是非普段の臨床にお役立てればなと思います。

棘下筋の起始停止

まず何をするにも基礎解剖を知っておくのは必要になります。

起始
肩甲骨棘下窩・棘下筋膜の内面
停止 上腕骨大結節上部の後小面
神経支配 ‎肩甲上神経(C5・C6)
作用 肩関節の外旋、内転
栄養血管 肩甲上動脈

このあたりは棘下筋のトリガーポイント棘下筋の電気鍼でご紹介しているので今回はサラッと起始停止、走行程度を頭に入れておくようにしてください。

今回大事になってくるのは、制限因子です。

棘下筋の動きで制限がかかるのは筋の走行によって変わります。棘下筋は走行により横行線維(上部線維)と斜走線維(下行線維)に分けられます。

これらの筋が固くなることにより関節運動に制限がかかるようになっていきます。

簡単に分けると次のようになります。

横走線維は1st内旋制限
斜走線維は2nd内旋、水平屈曲制限

これらはあくまで目安の一つで肩関節は自由度が高いので1st、2edの間で制限が最大にかかることなんてのもあります。

臨機応変で走行をイメージしてどこが問題か考えてアプローチをするのがいいと思います。

基礎知識がなく挑むことは無謀ですが、基礎に囚われすぎると自由がなくなります。

臨床は素直な問題なことのほうが少ないので基礎を持って自由なイメージを持つのが肝要かと思います。

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棘下筋の運動鍼の実技

では実際に刺鍼している動画をご紹介します。

鍼の流れ、関節の動かし方、刺鍼のポジションの取り方もありますのでお時間がある方は是非動画などもご覧になってください。

まず棘下筋の横走線維に鍼を刺入していきます。

このときに少しストレッチのように伸展刺激を筋に加えながら刺入をしていきます。響きがあるぐらいまで刺入するのがポイントです。

このとき横走線維は外転90°、屈曲90°では水平伸展の制限因子になるので刺鍼して響かせたら引き抜いて、鍼尖が皮下にとどまるようにします。

皮下にある限りは動かしても筋組織を損傷することは少ないと思います。

引き抜いた状態から肩を動かします。

棘下筋ぶが一番ストレッチが出来る方向に伸ばしていきましょう。

最大伸展位(一番突っ張る感じが出るところ)でもう一度刺入をして響かせます。

この繰り返しで肩関節の可動域を少しづつ広げていく事ができます。

まとめ

今回は『棘下筋の運動鍼療』について書いていきました。

運動鍼は施術の最後にすると効果が高く患者さん自身にも効果を実感してもらいやすいです。

再現性もかなり高いですよ!

是非普段の臨床にお役立てください。

最後までご覧くださりありがとうございました。

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第2弾『シンスプリントの運動鍼』
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第3弾『股関節の運動鍼』
https://sinkyu-skillup-jyuku.com/acupuncture/post-458/

第4弾
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